【完結】パン屋×King & Prince【前編】 (ページ28)

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⭐︎ ページ28

『やっほー！！A、来たよー！』

『うわっ！！？』

バーンとドアを開けてミナトが入ってきた。

さっきまでの穏やかで静かな空気が一気に変わる。
それと同時に音に驚いた平野さんがドシンっと椅子から転げ落ちる。

「あっ！ミナト！平野さん、大丈夫ですか？」

転んだ平野さんに駆け寄る。
ミナトは気にせず話を続けた。

『なんかフランス行ったんだけど全然パンが美味しく無くて。Aの食べたくて来たんだけどさー、、、。ってええっ！！！平野紫耀じゃん、なになに。どゆこと？？？』

ようやく転んだ人の顔を見たらしい。

ミナトが知ってるってことは相当有名な方なのかな？
無知な自分が悲しい。

『いやいや、待って待って。まじで今心臓やばい。動悸がとまらないんだけど。え？てかあの芸能界に疎すぎるAがなんで平野紫耀と一緒にいんの？』

訳分からなすぎーとアワアワするミナト。
平野さんが転んだのでアワアワする私。

さっきまでの様子から少し強張った様子の平野さん。
店内はちょっとした混沌が起こっていた。

「ミナト。来るなら連絡してっていつも言ってるしょ。」

『だってA全然LINE見ないんだもーん。どうせ居るだろうからって思っちゃうんだよね。』

「確かにほとんどここに居るけども、、、。来客していることもあるんだから。」

『えっ！Aが？日本に知り合いいないし、ないないって思ったんだけど、確かに今、目の前に平野紫耀がいる、、、。』

どゆこと？と平野さんと私の顔を見比べる。

「平野さんは前にケータリングした時に知り合って。お店に今日初めて来てくれたお客さんだよ。」

そうかーって平野さんをまじまじと見るミナト。
一方で平野さんはさっきまでの様子とは違って、うつむいている。

あれ？どうしたのかな。

『とりあえず喉乾いちゃった〜。なんかほしい。』

「分かった、コーヒー淹れてくるから待ってて。」

平野さんとミナトを残して奥のキッチンに向かう。
大丈夫かな？平野さんの様子は心配だけど、ミナトは物怖じしない人だから大丈夫かな。