【完結】パン屋×King & Prince【前編】 (ページ27)

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あれから廉くんは映画の公開があるとのことで今まで以上に忙しそうだった。

それでも合間を見て連絡してくれたり、家に泊まったりとカップルらしく過ごしていた。

今日は金曜日。
朝の9時にお店をオープンさせる。

いつもの常連さん達が来てくれてパンを購入していった。

秋らしいパンをたくさん作ったからなのか、外を歩きやすい季節からなのか今日はお客さんが途切れない。

一息つく頃には後少しのパンしかなかった。

これならきっと3時頃には閉店になるだろう。
そう思った頃、見覚えのある人が来店した。

『こんにちはー！Aさん！来ますと言いながらなかなか来れなくてすみません！』

「あっ、平野さん。こんにちは。先日はありがとうございました。」

前にケータリングをした時に自宅まで送ってくれた平野さんだった。

『来ようと思ってたんですけど、なかなかタイミング無くて。あれ？もう今日は結構パンが売れちゃった感じですか？』

「そうなんです。今日は結構常連の方がお見えになってて。ちょうど今お客さんが途切れたところなんです。」

『そうなんか！じゃあ残りのパン全部買っちゃっていいですか？そしたらもう閉店ですよね？ちょっとそこのテーブルでお話ししましょうよ！』

店内に一組だけあるテーブルを指さして平野さんは笑う。
前も思ったけど、結構人懐っこい感じなのかな？

「そしたら、コーヒー淹れてきますね。」

やったー！と言って平野さんは椅子に腰掛ける。

私はコーヒーのセットをした後に、外にあるお店の看板を下げて、外の扉にはcloseの札をかけた。

パンを袋に包んで、コーヒーを渡す。

『あっ。コーヒーまですみません。コーヒー代はいくらですか？』

「ふふっ。コーヒーは家にあるものなので大丈夫ですよ。」

あつっ、と言いながらコーヒーを飲む平野さん。なんだか、大型犬みたい。

『お店の中初めて入りましたけど、なんかいい感じですね。えーっとなんでしたっけ？あの、和風だけど今時みたいなやつ。』

「うーん。、、、！あっ！和モダンですか？」

『あっ！そうですそうです、ワモダン！』

平野さんと雑談をしながら一緒にコーヒーを飲む。

それからしばらく話をしていた。
そろそろ帰ろうかなと平野さんが言った頃、お店のドアが開いた。