⭐︎ ページ25
『Aちゃんも飲む？』
「うん、飲みたい。ありがっ、、。」
水を受け取ろうとしたらそのまま引き寄せられ、廉くんに抱きしめられた。
『あのさ、俺こういうの得意やないからちょっと目を見て言えないんやけど。初めてAちゃん見た時からずっと惹かれてて。順番逆になって申し訳ないんやけど、俺さ、Aちゃんのことが好きやねんな。アイドルしてるから一緒に出かけたりとかできひんし、苦労をかけたりすることもあるかもしれん。けど、それでも一緒にいたいんよ。付き合ってくれへん？』
「、、、。はいっ！私も廉くんが好きです。」
『マジか、、、！よっしゃあ。これからもよろしくな！』
「うん。こちらこそ。ところで、順番が逆ってどういうこと？」
『えっ？いや、その、、、。ちゃんと告白する前にやってしまったし、ほんまそこが申し訳ないなと思ってたんやけど、、、。我慢できんくて。』
「えっ？そこ？日本はそういうの気にするの？」
『ん？女の子やし、特にその辺り気になったりせんの？』
「いや、フランスってむしろ一緒に夜を過ごしてから付き合うことが多くて。それが普通だと思ってた、、、。日本は違うんだね。」
『マジか！それは知らんかった。そうなんや、、、。』
そう言うと少しだけ複雑そうな顔をする廉くん。
「、、、？どうしたの？大丈夫？」
『いや、大丈夫。なんかやっぱりAちゃんってフランスの人なんだなって思っただけ。あとは俺の問題やから気にせんといて。』
、、、？まあ、廉くんがそう言うなら大丈夫か。
『ちょっとやっぱり、テレビとかの仕事をしているから、ひょっとしたらAちゃんに嫌な思いをさせてしまうことがあるかもしれない。けど、絶対守っていくから。何か気になることがあったら教えて。』
「うん、分かった。」
『そしたら、ごめん！これから仕事やねんな。また来るわ、、、A。』
リップ音を残して廉くんは出かけていった。
私は少し気怠い身体を起こして、明日の仕込みを始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しょこら | 作成日時：2023年12月6日 12時
