side NAGASE ページ21
やばい。
本当なんなん。あの人。
あー、もう今日は仕事に身が入らん。
Aちゃんの家をでて、事務所に向かって歩いていく。
あんなことあったから顔が熱い。
本当この風がちょうど良いわ。
土曜日で朝から映画見るのかと思っていたら、ケータリングの依頼があるとのことで、Aちゃんは朝から厨房に向かっていった。
たまに仕込みの日に見たことはあるけど、パンを作る様子は本当にカッコよくて。
普段の綺麗なんだけどふんわりした雰囲気とは打って変わってとにかくカッコ良い。
なんやろ、キャリアウーマンぽさがあんねんな。
ちらっと様子を見ようと厨房を覗いたら、ちょうど一息つくタイミングやったみたいで。
手を洗ってるところにちょっかいをかけにいった。
そしたらあの感じやもん。
そらあかんて。
カレカノかってくらい泊まっていたものの、あの時からなんとなく手を出すのは違う気がして。
まあ、忙しいから疲れて寝てしまうのもあったんやけど。
でも我慢していたのは間違いなくて。思わずキスをしてしまった。
そうすると人間止まらんもんよな。Aちゃんの反応も可愛いし。
ちょっとキザな感じになってんけど、内心はバクバク。
でも、もう覚悟決めよ。
今が事務所も大変やし、キンプリもツアー中やから大事な時期なのは分かってる。でも、もう我慢できひん。
それからすぐ事務所に着いて会議室に入る。
海人はもうすでにいた。
『あっ！廉！あれー？なんかあったの？顔赤いよ。』
「いやいや、なんもないで。歩いてきたからちゃうか。」
危ない、、、。
海人にもわかるくらい顔赤い感じなんかな。恥っず。
そこからスタッフの人が来るまでにはなんとかポーカーフェイスを作ることができた。
話は聞いてるけど、全然頭に入ってこーへんな。
また今度海人にちゃんと聞こ。
大晦日のライブがなくなってどうするかを考える打ち合わせは思ったより時間はかからなかった。
『そしたら、僕たちはYouTubeで配信しよ。それでいいよね？廉？』
「うん、海人それでええよ。詳細はまた後日つめてこ。」
今は18時か。うん、帰ろう。
「そしたらお先です。」
『あれ、廉早いね〜。バイバーイ。』
海人とスタッフさんに挨拶をしてAさんの家に向かう。
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作者名：しょこら | 作成日時：2023年12月6日 12時
