side NAGASE ページ13
トントントンと心地よい音に、コーヒーの香り。
なんて幸せな朝なんや、、、。
って、え⁈⁈
あかん。寝てしまったみたいや。
全部、覚えてる。
覚えてるのに、、。
まさかのこれからってところで記憶が途切れてる。
完全にやらかした。
それも不甲斐ない形の。
恥ずかしすぎる。けど、久しぶりにぐっすりと眠れた。
今は朝の8時。なんて幸せなんやろ。
『おはようございます。』
「あっ、おはようございます。すみません、僕寝てしまったみたいで。」
『いえいえ、お疲れだったんですよね。むしろソファで眠ったので疲れましたよね。』
「いや、それは大丈夫なんですけど、、。」
Aさんのあまりにも普通な態度に戸惑う。
これは俺はどう振る舞うんが正解なんや。分からへん。
『よかったらシャワーでも入りますか？お着替え、私の大きめのスウェットならあるのですが、、、。』
「ああ、そしたら、お借りしてもいいですか？」
柔軟剤の良い香りのするスウェットを借りてお風呂場に向かう。
脱衣所にはコンビニで買ってきてくれたであろう新品のパンツとふわふわなタオルが置いてあった。
この人、ほんまにすごいな。
男の人に慣れてるん？それともただ気遣いのかたまり？
関心ともやもやの気持ちが同時に湧いてくる。
近づいた様で遠い距離がもどかしい。
シャワーを浴びながら、これからのことを考える。
普通なら帰るんやけど、なんか帰りたくなかった。
そう思わせるくらい、カスミさんの家の雰囲気は心地よいものやった。
「ありがとうございます。めっちゃさっぱりしました。」
『よかったです。ちょうど朝食もできたので、永瀬さんもよかったら。』
「うわっ！うまそう。」
スクランブルエッグにサラダ、カゴには様々なパンの盛り合わせ、ホットコーヒーの匂いに食欲がそそられる。
なんか、こんな朝久しぶりかも。心も体も満たされる。
「ほんま、幸せやなぁ、、。」
小声で思わず本音が漏れる。
『ふふっ。そうですね。』
にっこりと笑うAさんの笑顔に胸の高鳴りが止まらない。
あかん、ほんまに好きになってしまったかもしれん。
まだ2回しか会ってないのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しょこら | 作成日時：2023年12月6日 12時
