検索窓
今日:5 hit、昨日:6 hit、合計:33,929 hit

10 ページ10

しかし、体を起きあげた時には今見てた光景ではなくて、俺が全力で山田の家に向かっている最中だった。






『けい?…ねぇ、血がっ、ック…血が止まらないのっ!』




『助けて』というか細い声にどこにいるのか尋ねた。






『俺の家のお風呂場にいるっ、部屋汚れちゃったからっ、』


『わかった、今行くから待ってろよ?』






そう言って耳から離しかけた携帯電話から音がした気がしてもう一度耳に当てる。






『やだ、切らないで、こわいから。怖いよ…』


『大丈夫だよ、涼介。切らないからちょっと待ってな。』









風呂場に着くと、左手首から流れた血液が散らばっていた。
初めて見る量で一瞬固まったが、急いでタオルで傷口の少し後ろをきつめに結んだ。



『けい、けい、けい、』


うわ言のように俺の名前を落とす涼介を抱きしめながら『大丈夫、大丈夫』と背中をさする。

11→←9



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (51 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
130人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:蒼空 | 作成日時:2019年8月25日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。