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「…はぁ、」
自然に出た安堵ともとれるため息をひとつついたあと、ローテブルに置いてある携帯からメモを開き15個くらいある中の「かな」と「あかり」の文字を消す。
「あかりちゃん良かったんだけどなぁ。」
そう独り言を呟いてソファに身を投げ出し、意識を飛ばした。
『ん、いのおちゃんのアイスひと口ちょうだい。』
そう言って俺のアイスに手を伸ばした。
『えー、どうしよっかな。』
『あ、けち。』
しゅっとした頬をぷくっと膨らませる。
『んふふ。嘘だよほら口開けて』
『えっ。いいよ!自分で食べれる。』
そう言って膨らませてた頬を戻して赤く染める。
『ほらいいから。あーん。』
そう言うとやけくそになったのか小さく口を開けてスプーンを受け入れた。
『どう?おいし?』
『ぅん。』
小さく微笑みながらこくんと頷いた。
するといきなり暗転し、気づくと山田の家の寝室にいた。
『ねぇ、今日なんで女と話してたの?』
『え。いやあれは挨拶されただけで。』
『うそっ、知ってるもん!あの女がけいのこと狙ってるって!』
そう言って山田は近くにある布団をかき抱いた
『いや、それも初めて知ったし。ほんと普通に挨拶しただけだよ』
『…じゃあ証明して。俺の事がどれだけ好きか』
そう言って布団の隙間から俺の顔を睨んだ。
『、お前以外何も要らないくらいに好きだよ』
そう言うと布団の中からぐすっとくぐもった声が聞こえる。
『ほら、涼介ぎゅうしよう。おいで』
モゾモゾと動き出した布団に安堵しながらバレないように息を吐いた。
一緒に布団にくるまりながら1ミリの隙間もないくらいに力強く抱き合う。
『俺はけいが居なきゃ生きていけないから。俺の事いらなくなったら殺してね?』
『うん。わかったよ。』
『俺はけい以外に何も無いから』
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作者名:蒼空 | 作成日時:2019年8月25日 6時