盲目の中で恋をする。【いのちね】 (ページ2)

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しかし、今日は違ったみたいだ。

「よし、じゃあ昨日言っておいた編入生を紹介するぞ。知念入ってこい。」

「失礼します」その声に何故だか興味を持った。

少し高い声で音がぴょんぴょん跳ねるようなのにバラバラになることなく一つ軸があるような声

「静岡から引っ越してきました、知念侑李です。よろしくお願いします。」

クラスががやがやと盛り上がる。

女子はきゃぁきゃぁと黄色い悲鳴をあげて、男子は「めっちゃかわいくね！？」などと興奮気味だ。

かくいう俺も心臓をばくばくと鳴らしている。
すごく興味深かった。

ここ数年で忘れてしまっていた感情を奥底から引っ張り出してきたような感覚に戸惑いが隠せない。

「知念は伊野尾の席の隣な。」

「はい。」

そんな会話にふっと浮遊していた意識が戻ってくる。

上履きのゴムが歩くたびにペチペチと音を立てながら近づいてくる。

右横で椅子をガタンと引く音がやけに耳にこべりついて取れなかった。