Pray【登坂広臣】

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(予定外…)





(予定外だけど…)






何となく今隆二と思ってることは同じな気がした。







俺がきた瞬間心底悔しそうな顔を一瞬だけして、後はいつもの顔に戻る様子がたまらなく優越感に襲われる。






Aの腕には幾つかの服屋のショッパー、よく隆二と行っていた店の物も見掛けられた。対して隆二はあんまり持っていない。






隆二は惚れた女には貢ぐ癖みたいなのがあるから、きっとその洗礼をAは受けたんだろう。







もう薄々気付いていたけど隆二はきっとAが好き、ただの後輩だなんて思っているわけない。









「2人で買い物かよ、妬けるなあ」








「意図せずです」









届いた3つのアイスコーヒーにシフォンケーキ、バスクチーズケーキ、アップルパイを各々注文したものを手元に持っていってちまちま口に運ぶ。








こういうお店にはやっぱり女の子が沢山いるからガタイのいい男2人と1人の女の子が揃うと周りからの視線も痛い。どういう関係？って、そりゃ思うよな。







俺から突撃はしたもののこういうお店が目的とは思わなかったから、少し気まずくてアイスコーヒーを一気に啜って思いの丈をぽつりと呟いた。








「臣仕事だったじゃん、スーツだし…俺らもたまたまあっちの突き当たりのコンビニの所でばったり会ってさ」









「そうだけどさあ。今度は予定立てて3人で行こうよ、俺はやっと束縛女から離れられてフリーだからさ」






「何結局小野田と付き合ってたの？」









「俺はそんなつもりなかったけど向こうがその気になって何でもしてくれるからさ、甘えてたら結構ヤバいところまで来ててそろそろ辞めたいって言ったらビンタされて逃げられた」









俺らが小野田について話してる時、隆二の隣に座るAは手元の携帯を触りながらコーヒーとケーキを交互に胃に入れてリラックスしている様子だった。






いつもと違う雰囲気を持つAは可愛くて時々横目で見てしまう。







「お揃いだね。A」





「…えっ？」





「え？何が？」








ピンと来ていないAと隆二には何も明かさず意味深に笑っていると2人は頭にはてなマークを浮かべていた。









小野田が前に酔っ払ってべらべら話したことがあんだよね。









『私春田さんの事前ぶっ叩いちゃった！広臣に近づくなって！』









だから叩かれた同士お揃いでしょ。

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