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『…春ちゃんに手出したらどんな手を使ってでも社会的に殺す』
笑った顔はかなりのイケメンだけど、普段は強面で髭面の隆二から小声で言われた本気の声の脅しに一瞬だけ怯んだ。
「…。」
「春田さん大丈夫？ほら。春田さんに案内して貰わないと俺家わかんないよ」
「つきあたりみぎ…」
隆二が心配そうにまだ店の出口で俺らの背中を見守っているのを視界の端で捉えると、一応隆二の前では春田さんをきちんと送る姿を見せる。
マジごめんね隆二、俺馬鹿だけど変なところで頭良いからバレるようなヘマはしないよ。徹底的に隠し通させるんだ。
春田さんが俺の誘いに頷いたらその後は簡単だ、ちょっと優しく愛撫して身体を暖めればいつもの展開。
そこまでちょろい女だとちょっと萎えるけど今まで接触した事ないタイプの子だからまた違う展開があるかも知れない、少しだけ期待値が高かった。
春田さんの言う通りに突き当たりの信号を右で曲がり隆二の監視の目をくぐり抜けたところから俺の力量が試される。
「ね、春田さんそんな足取り覚束なくて大丈夫？ちょっと休憩していこうか？」
酒なんて入ってなかったら速攻断られる様な馬鹿みたいな誘い文句、たとえ入ってても頭の回転が根本から早い奴には絶対効かない。
家まで10分あれば着くのに2時間の休憩でホテルに入るの、狂った思考回路じゃなきゃ思い付かない。
「うる、さい…灰色の、まんしょん…」
春田さんから返ってきた返事は当然のごとくNG、ああ本当ヤりごたえある。この今まで通じてきたアプローチが効かない感じが堪んない。
「はいはい」
初回の接触では無収穫、こんなの初めてだった。
隆二の怖すぎる脅しが脳裏に焼き付いて普段より気が進まなかったのもあったけどなんか燃えてきたじゃん。
「ここかな？…じゃあ春田さんお疲れ様。おやすみ」
自分より体が小さい春田さんに何となく、せめて触ってみたくて真っ黒な髪の毛をぽんぽんと優しく撫でた。
春田さんがここが家だと言ったことを確認して、おやすみと一言声を掛けてから逆方向の家に帰ろうとすると春田さんの方から少しだけ張った声が聞こえた。
「…っあ、ご、っ、ちそうさま、でした！とさか、さん」
俺にお礼をするのが悔しいのか、酒が回っていて口が回らなくて唇を噛んでいるのか遠目では判断出来なかったけど、
(やっぱりかわいい)
たしかに俺の中の何かが動いた気がした。
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むぅ(プロフ) - はじめまして。続編楽しみにお待ちしております。 (2022年4月22日 13時) (
レス) @page45 id: cb68aa1da2 (このIDを非表示/違反報告)
kota(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます。臣隆大好き。隆二メインの作品も待ってまーす。 (2021年6月28日 14時) (レス) id: 8448788f30 (このIDを非表示/違反報告)
shirey(プロフ) - すんごくおもしろくて一気見しました！ (2021年5月28日 16時) (レス) id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：矢野 | 作成日時：2021年5月20日 12時
