Pray【登坂広臣】

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「あのクソ課長一回どころか百回ぐらい死んで欲しい」




「あははっわかる、ムカつくよね」





「あー山本課長？でも春ちゃんお気に入り認定されてるよね山本課長に」






課は違えど共通の上司を持つ俺らは酒というオブラートを介すると春田さんは結構呆気なく自らの殻を破いてくれていた。






飲み会の始まりの時は目も合わせてくれなかったのに今はアルコールが入って少しだけとろっとした目で上司の悪口を言い始めた。


それを皮切りに春田さんの口からは日々の愚痴がぼろぼろと出てくる。なんだ、俺が思ってるより普通の子じゃん。





さすが酒好きと言うぐらいには飲むスピードもアルコールの度数も半端ない。




可愛いというか、綺麗な顔をしてるから偏見でカシオレは飲まないだろって思ってたけどカシオレどころか生はまだ可愛い方だった。






紹興酒に日本酒に焼酎まで飲んでしまう始末。俺も隆二も酒は強いけど流石にそこまで持つか心配だったけど、飲むスピードが早い分落ちるのも早かった。





今まで相手をしてきた女の子達は自分を潰すんじゃなくて自分の中のリミッターを外す為にお酒を飲んでいたと思う。



こんなに度数の高いお酒ばかり飲んでいるから春田さんはきっと自分を潰す為に飲んでいるんだと思う、本当に俺が相手なんて思われてないな。





「春田さんもう終電一本前だけど帰んないの？」




約束事として終電前の電車で帰る、だったけど終電の一本前の電車の時間があと20分ほどで来てしまう所まで話が盛り上がってしまった。






元々終電の前でなんて帰すつもりは無いし、隆二の監視の目を振り切ったら介抱しながら少しでも同意の意を見せたら今日にでも春田さんを抱くつもりだ。






「ん、…んん…かえる…」




胸元のボタンも閉めないで帰るなんて、よくまあそんなこと言えるよな、安心してよ。帰さないから。

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