朝九新聞第10号 (ページ2)

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エッセイページ2

『わたしのともだち』

気が付いたら、

私はひとりぼっちだった。

ひとり、

道を歩いていた。

私は、友達は狭く深い、というタイプだった。

私には親友がいた。

SとR。

2人は、小学2年生の頃からの仲だった。

私達は歴史や宇宙が大好きだった。

毎日のように話していた。

放課後は一緒に3人で帰っていた。

楽しかった。

只々、楽しくて…

そんな毎日がずっと続く、

そう思っていた。

小4のとき、Rは違うクラスになり

私は彼と話すことが少なくなった。

小5のとき、Sも違うクラスになり

私は彼とも話すことが少なくなった。

SとRは隣のクラスで、

私が彼らのクラスの前を通り掛かったとき

2人は、楽しそうに話していた。

少し、妬いた。

“私も輪に加えて。”

そんなこと、言えるわけがなかった。

当時私は嫌がらせに遭っていた。

私が2人と話していたら、

2人にも、被害が及ぶかもしれない。

もしかしたら、

2人も、私を無視するかもしれない。

怖くて、話しかけられなかった。

小6

私はRと同じクラスになった。

その頃から、私は強くなった。

嫌がらせに遭っても、泣かなくなった。

次第に、嫌がらせも無くなった。

Sとは、児童会の関係で時々話していた。

でも、もうその頃には

友情は薄れていた。

Sはある日突然、転校した。

彼はイジメに遭っていた。

それも、陰気な。

彼は優し過ぎた。

私はショックだった。

彼との友情が薄れていたことを

深く後悔した。

もし、彼と私の友情が薄れていなかったら

もし、私が、彼がいじめられていることを知っていたら

転校という、バッドエンドに至らなかったのかもしれない。

Rとの友情は続いた。

2人とも同じ中学校を受験して、合格して。

でも、Rとの友情も薄れていった。

Rに彼女ができたことが原因だった。

私には今、たくさんの友がいる。

リアル友達も、ネット友達も。

一方で、失った友がいる。

私は、3人の思い出を忘れない。

あの日の思い出を。

人生にはたくさんの道がある。

私達3人はいつも

信号のところで

3つの道に別れていた。

3人の人生も同じように

3つの道に別れるのだと思う。

3人、全く違う道だけれど

いつか、

3人がそれぞれの行くべき処にいますように。