21 ページ21
・
・
・
金曜日
一週間の労働から解放されたからか
はたまた彼に会えるからか
気持ちが浮ついている
今夜もショーが始まる
「いつもの私」は
もういない
あの夜
いや、夜だったかどうかも怪しい
夜と朝の合間
彼の安らかな寝顔を確認して
支度をし
部屋を出た
そして受付にいる店員に告げた
「部屋に残ってる彼
これから毎回
あそこにいさせて」
私に微笑み
丁寧に一礼する店員
ここの店員は教育がしっかりされている
昨夜とは全然違う
何とも清々しい気持ちを抱いて
私は歩き出す
「あ」
良いことを思いついた
足を止め
首だけ振り返った
「ショーには出さないように」
観客席を通り過ぎ
あの部屋へ
鍵は掛かっていなかった
ベッドにはこの間と同じ姿の彼
本当、綺麗な子
「こんばんは、ジミン」
私の声にびくっと身体を震わる
目隠しで見えていないはずなのに
ちゃんと私の声の方に顔を向ける
「こ、こんばんは・・・」
「ふふ、リラックスして」
「うん、ありがとう
へへ、何だか変な感じ・・・」
「そうね」
「でもぼく、この感じ好きだよ
すごく、ぞくぞくする・・・」
そう言い
彼は私の声がする方に
手を伸ばした
「ね、A・・・
早くこっちにきて
ぼくのそばに」
ゆっくりと近付き
彼の手をとり
私の頬に触れさせた
私の頬を
まるでシャボン玉を扱うように
触れる彼
頬の感触だけでは
物足りなくなったのか
私の首に腕を回した
自分の頬を
私の頬に合わせる
動物みたいだ
それからいろんな話をした
主に彼の話
たどたどしい話し方が可愛らしい
一通り話も終わり
ベッドヘッドに
上半身を預ける私
私の胸元にすり寄ってくる彼
前世は小動物か？
と思わざるを得ない
「ねえ、ジミン」
「なに？」
私に名前を呼ばれると
凄く嬉しそうな顔を向ける
口元しか分からないけど。
なんだか
その嬉しそうな感じ
ジョングクくんみたい
あれ、私
今、なんでジョングクくんを
思い出したんだろう
あ、そうか
一緒にいる時間が長いからか
そうだそうだ
自分を納得させていることに
気付かなかった
・
・
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 291人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つかさ - 続きがとても気になります！更新待ってます！ (2017年9月7日 21時) (
レス) id: 11ea81b5d5 (このIDを非表示/違反報告)
ぐくみん - すっごいゾクゾクしました、Mなじみんちゃんに狂気ストーカーじょんぐく続きが気になって仕方ないです！！！更新たのしみにしてます！！！ (2017年8月18日 17時) (レス) id: 1be88d2298 (このIDを非表示/違反報告)
しあテテ(プロフ) - RIYUさん» うさぎのポジティブ思考いいよｗｗｗスキだよｗｗｗ (2017年7月6日 19時) (レス) id: 79fe3379d4 (このIDを非表示/違反報告)
RIYU(プロフ) - しあテテさん» 光栄です、ありがとうございます！(笑) (2017年7月5日 19時) (レス) id: f17557b33e (このIDを非表示/違反報告)
しあテテ(プロフ) - IRUYさん» へへ／／／／←照れるとこかｗもうどんどんお話が気になってｗ (2017年7月5日 12時) (レス) id: 79fe3379d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：RIYU | 作成日時：2017年6月29日 17時
