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零れる様に口をついて出た単語
そう、彼女は泣いていた
それは気付きにくかったかもしれない
だけど伏し目がちだったその瞳は赤く腫れていて
泣いていた、いや…泣かせてしまった
傷つけたくないと願ってやまなかったのに
その涙の原因は、他でもないこの俺だった
「は、はい、それでは次の方どうぞ」
俺の様子を見ていたスタッフさんの慌てた様子
そんな声に俺もはっとする
時間は限られているから
今は止まっていられない
困惑した空気は残っているけど、咳払いをして切り替える
怪訝そうな顔で俺を覗き込んできているみやゆうさんを無視して
きゅ、と掴まれたかのように苦しくなる心臓も、気にしない
そしてまた次の視聴者さんが笑顔でやってる
「わーポッキーさん！いつも見てますー！」
満面の笑顔で勢いよく手を差し出してきた
俺の手を引っ張る勢いで振ってくる強さはテンションの高さを如実に伝えていて
おかげで空気は一変した、これは正直助かる
…だけどそれもまた一瞬で
「さっきの松葉杖の子の姉なんです」
ふふ、姉妹で来ちゃいました
悪意なく伝えられるその事実に俺はまた固まってしまう事になる
辛うじて目元の笑顔を崩さないで済んだけど
空気は…俺の中ではまた元に戻ってしまった
「へぇ…お姉さんなんですね〜」
マスクの下で口元を引きつらせながら、思わず敬語でオウム返し
Aちゃんのお姉さん
一度電話で話した事がある
Aちゃんはお姉さんがポッキーの動画を見ていると言っていた
だから、なるほど
Aちゃんはきっと俺とポッキーの関連性に気付いていなかったんだと思う
偶然にもお姉さんがファンミに当選して…そして気付いた
そう考えれば辻褄があう
わかった所でどうしようもないけど
お姉さんはそのまま隣にいるみやゆうさんの所へ移動して
2人ともハイテンションで、何故かハイタッチをしてそして帰っていった
「…大丈夫？」
俺の違和感にみやゆうさんはお姉さんが出て行ったのを確認して小さくそう聞いてきた
…大丈夫じゃない、正直
心臓があり得ない程はやくって
動揺してる、それもかなり
いろんな思いが頭をぐるぐるして態度にも出てしまっている
だけど
「大丈夫、ごめん」
それを冷静に説明できる程考えはまとまっていなくて
悟られないように取り繕う程の余裕もなかった
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ももた(プロフ) - ぴょんさん» ありがとうございます！ちょっとバタバタしてしまって停滞気味ですが、もう結末までストーリーは考え終えていますので、頑張って書いていきますね(＾＾) (2017年6月6日 0時) (
レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん - 続きがとても楽しみです！頑張ってください！応援してます！ (2017年6月4日 2時) (レス) id: ff860ae17d (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - べにべにさん» 遅くなりました！こういうコメントのおかげで書き続けられます！本当にありがとうございます(＾＾) (2017年5月23日 22時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
べにべに - 待ってます更新！！続きが楽しみです！ (2017年5月21日 13時) (レス) id: 2e57339124 (このIDを非表示/違反報告)
マホlove - ありがとうございます！わざわざ調べていただいて。無事見れました！本当にありがとうございました！！！！ (2017年5月19日 23時) (レス) id: 22d20cf1e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももた | 作成日時：2017年4月8日 1時
