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「はぁ…」
スマホを見ては溜息が出てしまう
気持ちを切り替えなくちゃいけない
そう思えば思う程に離れなくなる
自分の気持ちなんて…分からない
こんなに考えて、頭の中をいっぱいにしても
俺は心の中の言い訳をやめる事ができないままだった
「どしたの?緊張?」
そんな俺の溜息に気付いてみやゆうさんは顔を覗き込んでくる
控室、今回も一緒にイベントに参加してくれる彼は本当に俺の事をよく見ていて
…それは少し複雑な気持ちだけど
有難いという事にしておこう
「緊張…うん、緊張、たすけてみやさん」
へら、と笑っておどけてみせる
まさかこのややこしい感情を正直に言える筈もなく、そしてそんな時間もなく
そういう事にしてしまえばみやゆうさんもふざけて俺の背中をさすって「大丈夫!ポッキーさんなら大丈夫!」なんて、お互いに動画での名前で呼びあってふざけた
考えずにはいられない、けど今考えていても仕方ない
本番前
いちばん集中しなくちゃいけない時にこの状態はだめだろう
…無理だってわかっている事だとしても、無理矢理抑えつける
「ポッキーさん、みやゆうさん、そろそろ準備お願いします」
スタッフさんが声をかけに来てくれる
会場の様子をモニターで見ればもうそこは沢山の人がいて
目の当たりにしてしまえばやっぱり身の引き締まるような感覚
それを合図に俺達は準備をして舞台袖へ
そうしてはじまったファンミーティングは、あれだけ頭を悩めていたのが嘘みたいに
出てしまえば集中できる
この空気感に、全部を見られている緊張感
それは集中せざるを得なくて
(…よかった)
なんて思う心のままに、イベントは滞りなく進行していった
成功
そんな二文字の達成感にも似た感情に包まれながらその場を追える
「今日は、ありがとうございました!」
この後の交流…言わば握手をして今日のイベントは終了だった
だから俺とみやゆうさんは一度はけるべく挨拶をして
拍手の中再び舞台袖へ
「いやぁ、緊張しましたね!」
明るい彼の声に顔をあげればその手にはカメラ
「いや?みやゆうさんだけでしょ」
どこに準備していたのか、素早く回されたそれに俺はふざけて少しそっけなくしてみたりする
「うぉい!」なんてすぐに反応してくれるみやゆうさんに「うそー、めっちゃ緊張した!」と素直に撤回しておいた
そして歩きながら軽い雑談を交えて、交流の場へ
みやゆうさんはスタッフさんにカメラを預けて
ここからの撮影は専門の人がしてくれるから
まだ少しの緊張を残して、俺は開始を待った
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ももた(プロフ) - ぴょんさん» ありがとうございます!ちょっとバタバタしてしまって停滞気味ですが、もう結末までストーリーは考え終えていますので、頑張って書いていきますね(^^) (2017年6月6日 0時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん - 続きがとても楽しみです!頑張ってください!応援してます! (2017年6月4日 2時) (レス) id: ff860ae17d (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - べにべにさん» 遅くなりました!こういうコメントのおかげで書き続けられます!本当にありがとうございます(^^) (2017年5月23日 22時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
べにべに - 待ってます更新!!続きが楽しみです! (2017年5月21日 13時) (レス) id: 2e57339124 (このIDを非表示/違反報告)
マホlove - ありがとうございます!わざわざ調べていただいて。無事見れました!本当にありがとうございました!!!! (2017年5月19日 23時) (レス) id: 22d20cf1e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももた | 作成日時:2017年4月8日 1時