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彼は立ち上がって、お礼を言う私の頭を軽く撫でた
フードの上から
大分距離の縮め方が早い
だけど嫌な気持ちにはならなかった

会話の終わり
だけど彼は少しだけ言いにくそうに口をひらく


「実は客のつもりで来てたんだけど」

「え」

「んや、大丈夫、また今度来るわ」


急いではないから

なんて
まさかの彼はお客さんだったようで
とても失礼だけどとてもそんな風には思えなくてその可能性は完全に頭になかった

彼は気を使って帰ろうとする

だから私は慌ててそれを引き留めて


「いや、大丈夫ですからお花、お手伝いさせてください」


助けてもらって話まで聞いてもらっているのに更に足を運ばせる事なんてできない
何だったら沢山サービスさせてほしい
だから私は彼の腕を掴んでそう伝えた

彼は私の顔を見て少し考えていたけど
「それなら…」ってその足を引き留めてくれた


「ありがとうございます
それで、何をお探しですか?」


ほっとしてまたお礼を言う
そして彼が何を求めて来たのか
聞こうとすればとても接客的になってしまって
ついさっきまで話し込んでいた分かなり違和感を覚えてしまった

だけどそんな事には触れないで彼は話はじめる

聞けば、彼女さんの誕生日に花束を渡したいらしい
それは今しがたフラれたばかりの私には言いづらい、なんて少しおどけて言ってきた
確かに…なんて変な納得をしながら、それでも私は笑えているからとりあえず大丈夫らしい


お花の説明をしながらある程度どれにするか…なんて決まりつつある中で彼は話してくれた

正直柄じゃない、なんて
それは私も少し感じてしまった
だから否定も肯定もしないで曖昧に笑うと


「…彼女が昔、他の男にもらってたんだよ」


そういうの
なんて少し不機嫌そうに話す彼

この人の彼女さんはお付き合いをする前に告白をしてきた他の男の人がいたらしい
その男の人は彼女さんに花束をプレゼントした

彼女さんは花束を貰うのはそれが初めてだったらしく
その後も一度もないから、実質その男の人との思い出だと彼は語る
だからそんな思い出消してやろうと思って

…なんて、それはつまり嫉妬

照れ隠しにおどけているのがよく分かる
(好きなんだなぁ、素敵)

だけど、それ以上に


「…大雅みたい」

「は?大雅?」

「あ、ごめんなさい
さっき言ってた…好きな人の名前です」


その名を言う事なく話をしていたから、突然呟いた名前に彼はきょとんとしていた
だから説明する
大雅も、過去好きな人に花束を渡していた
それを買いにきたのが出会いだったんだ、って

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ももた(プロフ) - ぴょんさん» ありがとうございます!ちょっとバタバタしてしまって停滞気味ですが、もう結末までストーリーは考え終えていますので、頑張って書いていきますね(^^) (2017年6月6日 0時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん - 続きがとても楽しみです!頑張ってください!応援してます! (2017年6月4日 2時) (レス) id: ff860ae17d (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - べにべにさん» 遅くなりました!こういうコメントのおかげで書き続けられます!本当にありがとうございます(^^) (2017年5月23日 22時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
べにべに - 待ってます更新!!続きが楽しみです! (2017年5月21日 13時) (レス) id: 2e57339124 (このIDを非表示/違反報告)
マホlove - ありがとうございます!わざわざ調べていただいて。無事見れました!本当にありがとうございました!!!! (2017年5月19日 23時) (レス) id: 22d20cf1e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももた | 作成日時:2017年4月8日 1時

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