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「ん」
「あ、ありがとうございます」
渡された棒を受け取ってもう一度お礼を言う
震える手はその棒を持つとまた如実にわかる
それが恥ずかしくて掴む手をもう片方の手で抑え込んだ
優しい人に助けられた
だから笑顔でお礼を言わなきゃなんて思うのに
震えも止まらなければ涙もまだ止まりそうになくて
居たたまれなくて、俯いたまま
…フードがあってよかった
だけどぽたぽたと落ちる涙は彼も気付いているだろう
「…」
そんな私を見下ろして、動けないでいるみたいで
私から何か言うべきなんだって
分かってる、分かってるけど
情けない声で何を言ったって惨めになりそうでなかなか勇気がでない
俯いたままどうしようとあぐねていると
「あー…」
頭上から、困ったようなそんな声
その声にびくりと肩を揺らしてしまう
すると彼は置いてあるもう一つの椅子を持ってきて
「なんも出来ないけど…聞こうか？」
そして座りながら静かにそう言った
もしよかったらだけど、なんて続けて
「すっきりするかもしんないよ？」
なんて口角をあげながらおどけて言う
私は顔をあげてそんな彼に視線を向けていた
まさかこんな展開になるとは思っていなかったから
あれだけ顔を見られるのが嫌だったのに
驚いて、そんな事微塵も気にしないで真っすぐに見つめる
すると彼はブッ、なんて少し吹き出して笑うのを抑えながら
「ひっでぇ顔」なんてオブラートのオの字も感じさせない暴言を吐いた
初対面で本当に失礼な人だ
だけど優しいのは充分伝わっている
よく分からない感情のまま私は机の上のティッシュで強引に涙を拭って
「き、聞いてほしい、です」
半ば自暴自棄に、彼にすがった
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ももた(プロフ) - ぴょんさん» ありがとうございます！ちょっとバタバタしてしまって停滞気味ですが、もう結末までストーリーは考え終えていますので、頑張って書いていきますね(＾＾) (2017年6月6日 0時) (
レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん - 続きがとても楽しみです！頑張ってください！応援してます！ (2017年6月4日 2時) (レス) id: ff860ae17d (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - べにべにさん» 遅くなりました！こういうコメントのおかげで書き続けられます！本当にありがとうございます(＾＾) (2017年5月23日 22時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
べにべに - 待ってます更新！！続きが楽しみです！ (2017年5月21日 13時) (レス) id: 2e57339124 (このIDを非表示/違反報告)
マホlove - ありがとうございます！わざわざ調べていただいて。無事見れました！本当にありがとうございました！！！！ (2017年5月19日 23時) (レス) id: 22d20cf1e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももた | 作成日時：2017年4月8日 1時
