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そして暫く



「あ、あんまり見ないでね」

「何で?」


停電状態があまりにも長いから
机の上のものを片付けてしまおうと懐中電灯を取り出して
ほとんど大雅が片してくれた

何となく寝るような雰囲気で
私はお風呂は先に入っていたけど、お化粧はばっちりしたままで


「〜〜は、恥ずかしいから」


それを、落としてきた
さすがにそのまま眠る事は出来ない
だから私は俯き気味に大雅の元へ

そこは、私の部屋

大雅はクッションに座ってスマホをいじっていた
…客室にはお客さん用の布団があって
私が説明をしながらそのお客さん本人に準備をさせてしまって
その後、私がひとりで部屋で寝られるか?という話に
もしよければ、なんて前置きをして私が眠るまで彼は傍にいてくれると言ってくれた
だから急いで化粧を落として来たんだけども


「あー大丈夫大丈夫、可愛いよ」

「っな、」

「よく見えないけど」


あはは
なんて笑いながら言う
それは恥ずかしいけど嬉しい、なんてよくわからない感情
…本当に部屋が暗くてよかった
怖かった筈の暗闇が今や味方で、不思議

大雅は立ち上がって私を支えながらベッドに誘導してくれた


「あ、ありがとう」

「花」

「え?」

「多いね」


ベッドに腰かけて、それからその呟きに彼の視線を辿れば
それは出窓の方をちらりと見ていて
玄関やリビングにも置いてあるのを見ての感想だろう
やっぱり好きなんだね。なんて
だから


「うん、好き」


心のままに話す
花が好きだから花屋をしている
そんな単純な理由で私は夢を叶えた

だから


「大雅が初めてお店に来てくれた時ね、嬉しかったんだ」

「嬉しかった?」

「可愛いって言ってくれたの」


それは心の底から
その花束を見て、そしてそれを渡す相手を想って
その優しい視線が表情が忘れられない
…もしかしたらその時から、一目惚れをしていたのかも


「こんな風に想われてる相手は幸せなんだろうなぁ、なんて思ったの」


そんな素敵な想いに、私が、私の花が貢献できる事が嬉しくて

思ったままをそのままに伝える
まさかその時の本人とこんな風に話せるようになるなんて思ってなかったから、今この瞬間fが私はとても嬉しかった
…まぁ正直、嫉妬のような感情は拭えないけれど

私はそのまま視線を戻せば、大雅はきょとんととした表情を浮かべていて
少しの間
それはすぐに真顔に戻る


「それってなんか、告白みたいだね」

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ももた(プロフ) - ぴょんさん» ありがとうございます!ちょっとバタバタしてしまって停滞気味ですが、もう結末までストーリーは考え終えていますので、頑張って書いていきますね(^^) (2017年6月6日 0時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん - 続きがとても楽しみです!頑張ってください!応援してます! (2017年6月4日 2時) (レス) id: ff860ae17d (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - べにべにさん» 遅くなりました!こういうコメントのおかげで書き続けられます!本当にありがとうございます(^^) (2017年5月23日 22時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
べにべに - 待ってます更新!!続きが楽しみです! (2017年5月21日 13時) (レス) id: 2e57339124 (このIDを非表示/違反報告)
マホlove - ありがとうございます!わざわざ調べていただいて。無事見れました!本当にありがとうございました!!!! (2017年5月19日 23時) (レス) id: 22d20cf1e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももた | 作成日時:2017年4月8日 1時

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