検索窓
今日:2 hit、昨日:43 hit、合計:43,153 hit

ページ3

目が覚めるとそこは病室

それはすぐに理解できた

実は意識は完全には失ってはいなくて
ただ頭を打った衝撃で視界がぐるぐると回って目なんてあけていられなくて
体を動かす事も不可能だった
まるで脳をかきまわされているようで本当に気持ち悪かったし、いっそ意識を完全に失えていたらそっちの方が楽だった
なんて思えるほどには意識はあった

だから嫌な痛みも
逃げた人も
彼が電話していたのも

全部わかっていた
だから突然病院、なんて漫画みたいな事には決してならなかったんだけども



「…気がつきましたか?」


「っ…」



それでも、私の目があくまで彼が寄り添ってくれていたのは予想外

驚いて目を見開く
知ってた、知っていたけど
それでも落ち着かない

私はズキリと痛む頭を押さえてゆっくりと起き上がった



「あ、まだあんまり動かない方がいいみたいですよ」


そんな私を制すように、だけど決して触れないで手だけを前に向ける彼

脳に異常はなかったけど外傷はあって多少出血もしていたらしい
強く打っているから異常はないとはいえ安静にしていた方がいい…何てことは説明されずともわかるけど
このまま寝てもいられなかった



「あの…北川さん、」


ありがとうございます
お礼を言いながら軽く頭を下げる

そう、彼の事は知っていた

以前にお店でお花を一緒に選んだお客様
あの時は好きな人に、なんて本当に嬉しそうに…だけど照れていた彼に胸が温かくなったのを覚えている
それからほとんど毎日店の前を通っている彼に気付いて
気付いた時には挨拶している
彼に余裕がありそうな時は少しだけお話した事も

あれから彼がお花を買いにくる事はないけど

それでも微かな期待を込めていた


そんな中で猛突進してくる自転車は絶対にぶつかると確信させて
頭より体が先に動いていた



「いやお礼を言うのは俺の方で…」


顔の前で手をブンブンと振って、逆にお礼を言う彼
そんな様子に何だかおかしくなって笑みが零れてしまう

彼はきょとんとして、そして私を見て同じように少し笑った


そして説明しれくれる
このままもう一度検査して問題がなければ入院も必要なく帰れるだろうと



ただし、



「いっ…え、あれ?」


「…」



何故起き上がるときに気が付かなかったのか
足も怪我をしているようで、今動かそうとするとするどい痛みが体を走った

その痛みに視線を足へと向けると、何ともまぁ大袈裟な事になっていて

まるで折れているみたい
なんて、



「足、折れてるって」


「…へ、へぇ〜」



言いにくそうに、だけどはっきりと教えてくれた

4→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (46 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
94人がお気に入り
設定タグ:ポッキー , 実況者 , pocky_sweets
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ももた(プロフ) - ぴょんさん» ありがとうございます!ちょっとバタバタしてしまって停滞気味ですが、もう結末までストーリーは考え終えていますので、頑張って書いていきますね(^^) (2017年6月6日 0時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん - 続きがとても楽しみです!頑張ってください!応援してます! (2017年6月4日 2時) (レス) id: ff860ae17d (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - べにべにさん» 遅くなりました!こういうコメントのおかげで書き続けられます!本当にありがとうございます(^^) (2017年5月23日 22時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
べにべに - 待ってます更新!!続きが楽しみです! (2017年5月21日 13時) (レス) id: 2e57339124 (このIDを非表示/違反報告)
マホlove - ありがとうございます!わざわざ調べていただいて。無事見れました!本当にありがとうございました!!!! (2017年5月19日 23時) (レス) id: 22d20cf1e3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ももた | 作成日時:2017年4月8日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。