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恐らくその間に私の家に来たんだろう耕大からの「どこ?」なんて短いメッセージ
もうその不機嫌さを伝える二文字は私がどこにいるかなんて見当がついているらしくて
だから私は「内緒」とだけ送っておいた

既読だけついて、その後耕大からの連絡はなく今に至る

彼が不機嫌なのも最もなんだけど
私も徹底抗議の姿勢のまま応戦してしまう


「耕大に何の権限があるの?」

「権限とかじゃなくて、おかしいでしょって話」

「おかしくない」


だって耕大が言ったんだよ、順序が大事なんだって
だから私はその順序を踏むためにしている行動なのに

そんな事は売り言葉に買い言葉だって事はわかってる
分かってても言わずにはいられない
だってきっと何を言ったって反対される事にかわりはないのであれば相手が諦めるのを待つ他ないじゃないか
だからきっと持久戦

私はよそったご飯を両手に持って耕大の横を通り抜けてテーブルへ


「お待たせしました〜」


にっこり笑ってそのテーブルでパソコンを触っている彼に飲食店の店員ばりに声高くそう言った
パソコンの画面にくぎ付けだと思っていた彼は近寄ると俯いていて
その肩を震わせている


「マホトさん?」


その様子が不思議でじっと見つめるとマホトさんは我慢の限界が来たようにふきだした
突然笑い出した彼は「ちょっと待って、ほんと、むり」なんて途切れ途切れに発していて、その場の空気は一気に彼が中心になる
「俺のために争わないでとでも言えばいいの?」なんて至極愉快そうに笑う
その様子に私は少し恥ずかしくなって、だけど見えた笑顔に嬉しくなる


「笑い事じゃないから」

「あーごめんごめん…ひひ」


不機嫌な耕大は少し離れたベッドに腰かけながら笑うマホトさんに対して吐き捨てる様にそういったけど、彼は謝りつつまだ笑いが収まらないようだった
その笑いを何とか落ち着かせながら彼はテーブルに置いていたパソコンを閉じて隣に置いて場所をあけてくれたから夕食を並べていく

相馬さんがよそってくれたそれを一通り並べ終わって、人数分のお箸を手に取った時


「ねぇ、番号教えてよ」


私を見ながらスマホをひらひらと軽く振ってマホトさんはそう言った

その言葉にベッドで横たわってスマホを弄り始めていた耕大はガバ!と勢いよく起き上がって
私は手に持っていたお箸を全部床に落としてしまった
カツン、カツーンと響く音なんて私の耳には入ってこなくて


「も、もちろん喜ん「ダメ!絶対ダメ!!」


嬉しすぎる、そう思って即行で返事を返す私の言葉に被せて耕大が拒絶した

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ももた(プロフ) - まほしゃちょーさん» 嬉しいです!ありがとうございます(^^)もっともっと面白くなるように頑張りますね! (2017年5月8日 2時) (レス) id: 9c4e44a43b (このIDを非表示/違反報告)
まほしゃちょー - めっちゃ面白いです(>_>) (2017年5月7日 23時) (レス) id: 8c91b50b1a (このIDを非表示/違反報告)
あやの - なんかこっちも嬉しいです!テンション上がってよかったです(^-^)vほんとマホト優しい(泣) (2017年5月6日 10時) (レス) id: fa8761fcb7 (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - りんごいちごさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです(^^)強気ヒロインなので、そう言っていただけるとほっとします(笑)まだまだ頑張りますね!! (2017年5月5日 0時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
りんごいちご(プロフ) - マホトかっこよすぎます(;o;)主人公もめっちゃいい子!これからも頑張ってください応援してます!! (2017年5月4日 15時) (レス) id: ace6ccd855 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももた | 作成日時:2017年4月8日 1時

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