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細い、だけどしっかりと男の人の体つき
ぎゅうと力強く片腕で抱きしめるかのように
私は頭を胸に押し付けられてそんな事を感じていた
「…」
「…」
私はともかく、
マホトの一言からジン君もマホトも一言も発さない
2人がどんな顔をしているのかもわからなくて
変な沈黙
なにこれ、どういう状況なんだ
そんな妙な空気に耐えられなくなって、マホトの胸を押し返そうと
した、時
「っわ…!」
ぐい、と引っ張られるというか
マホトが倒れるその重力についでに巻き込まれたかのように、こけた
布団の上、横向きに私を抱きしめながら
顔の前の胸の動きが大きくなって頭上で深い呼吸
それは
「ッ…寝た…」
その背後で震える声
それはきっと笑っているんだろう事が容易に想像できた
後ろを振り返ろうと腕の中で隙間を作って体をねじる
一生懸命体を動かせば緩んでくるマホトの腕
ジン君の笑った顔が見えて
「何、ッ!」
口を開きながら体を起こそうとすると、緩んでいた腕が再び私を捉えて
今度はマホトに背中を向けた状態で抱きしめられる
その腕はまたとても力強くて
私はジン君と目を合わせて固まった
ぐっ、と私も力を込めて腕の中から抜け出そうと試みてみる
だけど今度はその腕が緩む事はなくて
「た、たすけて」
私は笑うジン君に素直に助けを求めた
焦っている
何故ならあのワタナベマホトに抱きしめられている
その腕の力強さとか、香りとか、温もりだとか
全てをダイレクトに感じて心臓がもちそうになくて
顔に熱が集中する
きっと今私は真っ赤で
意識すれば意識するほど呼吸もうまくできない
ジン君はマホトの顔を覗き込んで
「マホト思ったより酔ってんね」
それはきっと発言と行動に対してだと思った
マホトらしくない、そういう意味
それは私も同感
じゃなきゃ私の現状は説明がつかないから
だからそんな事
「そりゃそーだよ…だから、はやく」
助けて
私はジン君にされそうになった事に対して正直困惑してるし少し怒っている
だけどマホトの今の力はとても私ひとりでどうにかなるものではなくて
身動きが取れない以上、彼を頼る他なかった
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ももた(プロフ) - まほしゃちょーさん» 嬉しいです!ありがとうございます(^^)もっともっと面白くなるように頑張りますね! (2017年5月8日 2時) (レス) id: 9c4e44a43b (このIDを非表示/違反報告)
まほしゃちょー - めっちゃ面白いです(>_>) (2017年5月7日 23時) (レス) id: 8c91b50b1a (このIDを非表示/違反報告)
あやの - なんかこっちも嬉しいです!テンション上がってよかったです(^-^)vほんとマホト優しい(泣) (2017年5月6日 10時) (レス) id: fa8761fcb7 (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - りんごいちごさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです(^^)強気ヒロインなので、そう言っていただけるとほっとします(笑)まだまだ頑張りますね!! (2017年5月5日 0時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
りんごいちご(プロフ) - マホトかっこよすぎます(;o;)主人公もめっちゃいい子!これからも頑張ってください応援してます!! (2017年5月4日 15時) (レス) id: ace6ccd855 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももた | 作成日時:2017年4月8日 1時