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ジン君に押し倒されたとか
それがマホトの喜ばせ方だとか
まぁ嘘ばっかりだし、からかわれている事だって重々承知の上

だけどまぁいいや

そんな風に思って私は実行した
どうだ、とでも言わんばかりにジン君をチラリと盗み見たけどまさかのスルー
少しイラとはした、正直

でもそれどころじゃない

だって目の前にはマホトがいる
大、大、大本命のひと
だから私は拗ねていて
その感情が手伝って押し倒す事にも成功

私に押し倒されるマホト
そんな姿に悦に入る感情を必死に殺す


「マホトに会いにきたの」


拗ねて、そう伝えた
それは事実
なのに彼はわかっていながら外出していて
多少拗ねても許されるだろう

正直に言うとマホトは一瞬目を丸くして
それから少し困ったような、愉快そうな
よく分からない笑顔で「あー…ごめんごめん」なんて

そして私ごとその体を起こして
その手で私の頭を軽く撫でた

嬉しい、うれしい、けど


「子供扱い…」

「いや?」

「…やじゃない、けど、嫌」

「どっち」


また笑って
そんな笑顔
嬉しいけど、何だか嬉しくない
それはだってきっと意にそぐわない種類のものでしょう

その行動は全て嬉しいものなのに
なんだろう、この、違和感


「だってサグワは弟だからね」


それは唐突
にこやかに伝えられたその言葉に私は真顔で固まってしまった
なるほど、そういうこと

私の機嫌は一気に急降下する

その様子を
私が言葉の意味を理解したと、理解したマホトは口角をあげて笑う


「…セットにしないで」

「それは無理でしょ」

「っ…じゃぁ私が耕大の妹じゃなかったら、」


そしたら私にもチャンスはあったの?

はっきりきっぱりと告げられた"耕大の妹としか見ていない"なんて残酷な事実
私がそれに動揺すればするほどマホトの笑みは深まる一方で
なんて意地悪

逃げ道がなくて、ifを投げる

するとマホトは一切考えるそぶりすら見せないまま


「もしもの話はしないタチだから」


頭を撫でていた手を頬に添えて撫でる
それは愛しむようで
耕大の妹にするものではない、完全に"女"を相手にしている手の仕草
瞳も行動も言葉も

全部全部ちぐはぐで


「…うそつき」


私はそう呟くのが精一杯だった

完全に私の負けで
どうすればいいのか分からなくて眉を寄せるしかない

そんな私の表情をマホトは終始楽しそうに見つめていた
…本当に悪魔だな、なんて


それでも私は、

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ももた(プロフ) - まほしゃちょーさん» 嬉しいです!ありがとうございます(^^)もっともっと面白くなるように頑張りますね! (2017年5月8日 2時) (レス) id: 9c4e44a43b (このIDを非表示/違反報告)
まほしゃちょー - めっちゃ面白いです(>_>) (2017年5月7日 23時) (レス) id: 8c91b50b1a (このIDを非表示/違反報告)
あやの - なんかこっちも嬉しいです!テンション上がってよかったです(^-^)vほんとマホト優しい(泣) (2017年5月6日 10時) (レス) id: fa8761fcb7 (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - りんごいちごさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです(^^)強気ヒロインなので、そう言っていただけるとほっとします(笑)まだまだ頑張りますね!! (2017年5月5日 0時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
りんごいちご(プロフ) - マホトかっこよすぎます(;o;)主人公もめっちゃいい子!これからも頑張ってください応援してます!! (2017年5月4日 15時) (レス) id: ace6ccd855 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももた | 作成日時:2017年4月8日 1時

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