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安い女だなと思った
何人も見てきたマホトのファンと何が違うって、それはもうサグワの妹という点だけだろう
そりゃぁ適当にはしない
だけど特別に扱う必要もない筈

それでもここ数日連続で来ているらしい彼女

それはきっとマホトは面白がっているんだろう事を表していて
仲間家代表様はお得意の気まぐれをおこしているよう
俺だけのここに来た彼女のその行動はそれを如実に表している

適当に迎えた彼女はほぼ初対面だとは思えない程リラックスしていて少驚いた

俺の棘のある言葉もあまり響いてないような
顔色一つ変えずに返してくる

そして挙句の果てには


「教えて、ワタナベマホトの落とし方」


ときたもんだ。
真顔で、大真面目に

もう笑ってしまった
これは、だめだ、無理だ
要はもう俺の負け

なんていう真っすぐさ

理解はできない、だけど認めてしまいそうになる
認めるも認めないも俺には関係ないんだけど


はー、と一通り笑って荒くなった呼吸を整える


「何大真面目に聞いてんの」

「私はいつだって真面目です」


腑に落ちない様な顔でそう言ってくる彼女はそれでも真顔で
また込み上げてくる笑いを俺は頑張って抑える

食い下がらない彼女
マホトの落とし方なんて知る由もないけど
その目は少しでも何かを得ようとするかのような強気な視線
這い上がってくる気持ちはマホトと似ていると言われる所以だろうか


真っすぐこっちを見つめる彼女の頬に触れて


「っ!」


つねってみた
みょん、と思ったより柔らかい頬が伸びて彼女は目を丸くする
特にそれを拒絶する事もなく怪訝な顔をするだけで俺を見つめて黙ったまま

俺はその状態の彼女にゆっくりと顔を近づけて


「教えてあげようか?」


つねるその指を頬を滑らせるように離して、触れる
そして反対の手で小さな肩をぐ、と押した


「!」


小さな体は少し力を入れただけで簡単に背後に倒れて
鈍い音をさせて仰向けになった彼女に俺はそのまま跨って
驚くその様子に口角をあげながら見下ろした


「知りたい?」

「っ何、」

「ワタナベマホトの、喜ばせ方」


その意味を探るのに恐らくそこまで時間はかからなかったんだろう
丸い目が焦点を定めたのを確認した
だけど言葉も何もかえってはこないから、俺は彼女の片手を手に取り指を絡めて優しく床へ押し付ける

湧き出てきたのは、加虐心

だって俺は気付いていた



「…何してんの?」


マホトが帰ってきていた事にも
そしてこの姿を見られるだろう事も

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ももた(プロフ) - まほしゃちょーさん» 嬉しいです!ありがとうございます(^^)もっともっと面白くなるように頑張りますね! (2017年5月8日 2時) (レス) id: 9c4e44a43b (このIDを非表示/違反報告)
まほしゃちょー - めっちゃ面白いです(>_>) (2017年5月7日 23時) (レス) id: 8c91b50b1a (このIDを非表示/違反報告)
あやの - なんかこっちも嬉しいです!テンション上がってよかったです(^-^)vほんとマホト優しい(泣) (2017年5月6日 10時) (レス) id: fa8761fcb7 (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - りんごいちごさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです(^^)強気ヒロインなので、そう言っていただけるとほっとします(笑)まだまだ頑張りますね!! (2017年5月5日 0時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
りんごいちご(プロフ) - マホトかっこよすぎます(;o;)主人公もめっちゃいい子!これからも頑張ってください応援してます!! (2017年5月4日 15時) (レス) id: ace6ccd855 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももた | 作成日時:2017年4月8日 1時

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