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「ふんふふふーん」

頭の中に流れるメロディーをいくつかの候補に分けて繋げていく
ifのように、組み合わせて、外して、繋げて
それはもう無意識の作業
そんな音楽になりきれていないメロディーを口ずさみながらノートにペンを走らせる
それはもう心の赴くままに

躍る心を表すかのような歌詞に瞳を細めた


「わっかりやすいねぇ」


少しだけ離れた位置
大きなボードのようなものに向かいながら何か作業しているのを目の端に捉えながら彼の方を向いた
きっとそれは撮影で使うための物なんだろう
どんな動画になるのか楽しみだから、あえて物は見ない様に気を付ける

よくよく知っている彼…彼等との初対面も済ませ済みだ
昨日相馬さんと初めましてをして一緒にご飯を作って暫く
2人で帰ってきた彼等に感動を噛みしめながら挨拶をして、驚く二人にまた説明大会
笑って快く受け入れてくれた
マホトが好きだという私に、強く制しする耕大に、笑うマホト

認識としては相手にされていない耕大の妹が何か言っているなんてそんな状況に陥った
でも好都合
受け入れられたも同然な反応はとてもありがたかった

だから私は私の手を引く耕大に連れられ、ろくにさようならも言えないまま家に帰ったけど終始笑顔で

そして翌日の今日
スマホに入った彼の名前を愛しみを込めてタップして送った内容は、遊びに行ってもいいかどうか
すぐに既読がついてきた返信は「いいよ」なんて短い三文字
そっけなくも感じるそれに、私は胸がいっぱいにきゅーん。なんて少女漫画のようにたまらなくなった

来過ぎ?押しすぎ?いやいや、誰を相手にしてると思ってるの?
ラスボスのようなあの人に近づくために手を休ませておく理由の方が私にはわからない


「マホトがいないから凹んでたくせに」


ぽつり、こちらを見ずに呟かれたそれはまさしくだった

家に来る事を許可してくれたのに、いざ訪問してみれば迎えてくれたのは目の前の彼…ジン君だけで
何という意地悪。マホトはきっと自分に会いに来た私を想像して口角をあげているんだろう
そんな姿が目に浮かぶようだった

仕事に行ってしまったと教えられた私は分かりやすく眉毛を下げて落ち込んで見せれば「とりあえず待っとく?」なんて言ってくれて
その優しさに甘えて私はジン君と2人でリビングに

作業をする横で、私も常に持っているノートに新しい曲のための歌詞を綴っていた

そして言われた言葉に
それでも私は笑っていて

にやり、なんて

「だって、どうしても、嬉しいんだもん」

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ももた(プロフ) - まほしゃちょーさん» 嬉しいです!ありがとうございます(^^)もっともっと面白くなるように頑張りますね! (2017年5月8日 2時) (レス) id: 9c4e44a43b (このIDを非表示/違反報告)
まほしゃちょー - めっちゃ面白いです(>_>) (2017年5月7日 23時) (レス) id: 8c91b50b1a (このIDを非表示/違反報告)
あやの - なんかこっちも嬉しいです!テンション上がってよかったです(^-^)vほんとマホト優しい(泣) (2017年5月6日 10時) (レス) id: fa8761fcb7 (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - りんごいちごさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです(^^)強気ヒロインなので、そう言っていただけるとほっとします(笑)まだまだ頑張りますね!! (2017年5月5日 0時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
りんごいちご(プロフ) - マホトかっこよすぎます(;o;)主人公もめっちゃいい子!これからも頑張ってください応援してます!! (2017年5月4日 15時) (レス) id: ace6ccd855 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももた | 作成日時:2017年4月8日 1時

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