【完結】約束4(ワタナベマホト)

その後２(マホト編) ページ14

「で、なにしたの？」

「え…」

「キス？それとも抱かれた？」

「っ、」


それは間違いなく怒りだった
淡々と捲し立てられる言葉達は私を抉る

マホトは細くした瞳で真っすぐに私を見ていて
そう言いながら椅子から立ち上がって


「ま、まほ…っ！」

そのまま唇を塞がれた
強引なキス

この感じは、この流れは

何度も経験したそれはもう嫌という程理解していて



「ん、ぅ…！」


息も切れてしまいそうな
そんな貪るようなキス

ゾクゾクと這い上がってくる快感は思考を止めさせようとしてくるけど

それじゃだめだ、流されてはいけない
強く、強くそう思って

私は一生懸命マホトを押し返しながら


「ちが…っ、抱かれてなんて…ない！」


痛む傷口に気付いたのか
私が強く押し返す前にマホトはその手を緩めて
その隙に私は必死に伝えた

止まったマホトはそのまま動かずに、私の言葉を待っていて

私はじんわりと目に溜まった涙を流さない様にしながら



「マホトの事がっ…す、好きすぎて、だから」



辛くて、叶わない恋を諦めたくて
だから大雅さんを頼ってしまった

素直に、素直にそう伝えた

最低な選択だったけど
それでも大雅さんを利用してしまった事に間違いはない


包み隠さずそう言うと


「……」


マホトは真っすぐ私を見つめていたその顔を
きょとん。なんて
目を丸くして、幼い顔つきで驚いていた

それはとても予想外だったみたいで

どう思われるのか
私の最低な行動

そう思うと居心地が悪くて、目を逸らしてしまった


すると、

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