恋人編５ ページ25
その声色は割と真面目なもので
マホトは軽く回していた腕に力を込めて私をぎゅぅ、と力強く抱きしめた
「すっげぇかっこ悪い事言うよ？」
「え？」
言いづらそうな
とても珍しい彼の話し方は、恥ずかしさよりも興味の方が勝って
私は静かに耳を傾けた
はー…なんて深い深い溜息をひとつ零して
決意したように耳元で口を開く
「我慢してた」
「！」
「ずーっと我慢して、抑えてた」
マホトの口から伝えられた本音は衝撃的だった
というよりはあんまり信じられなくて
何で？だって、私達は恋人同士な訳で
以前にそういう行為をした時よりも…合理的と言ってしまえば情緒も何もないんだけど、でもまぁそうだと思っていた
だから彼を抱きしめたまま反応に困ってしまって
「していいならいつでもしてーんだから」
参ってしまっている
それはずっと我慢し続けていて辛いとでも言うかのように
でも、と続けて
「泣いてただろ」
「え…」
「あん時は余裕もなくて…だから
大事にしようと、俺なりに行動してみてた」
その思いはとても優しくて
私を想っての行動だった
沢山の涙、初めての行為も全て私は切なくて辛くて
だけど嬉しかった気持ちは確かに存在していた
なのに私はまた一人で勘違いして
いつだってマホトは私を想ってくれていたのに
学習しない自分に後悔して口を開く
「ご、ごめん…なさい」
「……」
好き勝手言って、ひとりで塞ぎこんで
怒って責め立てた
優しい彼にそれを謝罪する
マホトはその言葉を聞いてはぁ…と再び溜息を吐く
けどその吐息は何だかいやらしい雰囲気を醸し出していて
心臓が跳ねた
息を詰まらせる
腕は緩められて、少し体を離して
そしておでこをくっつけた
意地悪な、いやらしい笑顔
私はそれを知っている
「今からやっちゃおーか」
子供の様に無邪気な口調とアンバランスな表情
ニヤリと細められた瞳は強くて
その熱のこもった視線は私を飲み込む
高鳴る鼓動は恥ずかしさか期待か
いろんな感情はマホトの唇に飲み込まれていった
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たぶん約束裏ページに続きます。
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於音 - 本当にいい小説でドキドキ凄かったです！！感情が顔に出てしまいました笑笑これからも頑張ってください！ (2020年4月27日 23時) (
レス) id: 34eb78efc2 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - とてもいい小説で、泣いたのは、これが初めてでした！いい作品ですね！♪( ´ ; _ ; ` )これからも頑張って下さい (2018年10月1日 19時) (レス) id: d07448dafe (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - sakura829twinsさん» ありがとうございます！書くのもとても楽しかったですが、そういうコメントを頂けると本当に励みになります(^^)次はおそらく「恋人ごっこ」という作品がもうすぐ最終回ですので、もしよろしければそちらもお願い致します(笑) (2017年7月12日 17時) (レス) id: 9c4e44a43b (このIDを非表示/違反報告)
sakura829twins(プロフ) - 占ツクの小説を読んで泣いたの初めてです(泣)ほんとにいい話でした！読めてよかったです！！ (2017年7月10日 19時) (レス) id: d081082d44 (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - みにーさん» 作者の作品一覧からご覧下さい(^^)それでも表示されない場合はネットから夢ツクールへ行って頂き、設定ページにてR18の表示設定をして頂ければ出てくるかと思われます。 (2017年4月24日 23時) (レス) id: 9c4e44a43b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももた | 作成日時：2017年4月2日 3時
