恋人編３ ページ23
何を聞かれているのか一瞬理解できなかった
最近様子がおかしいとは感じていた
それは退院して家に戻ってきてから徐々に色濃くなっていって
違和感に突っ込むべきか否か、俺は出来るだけ一緒にいてそれを見極めていた
そして今日疑問は確信へと変わる
言いにくそうに固く口を閉ざすA
だけど優しく追い込んでいけばボロを出して、切なそうに眉をさげる
逃がさないとばかりにその両手を掴めば観念したAの口から吐き出された言葉がそれ
だから
「…何が言いたいんだよ」
その確認は、きっと遠回りしているんだと気付く
真っ直ぐには話せないその言葉をこいつのペースに付き合ってられる程気も長くはないから
質問に答えず含みのある言葉にそのまま問いかける
Aは押し黙って、視線を落ち着きなく動かす
そして諦めたようにゆっくり俺の顔を見上げた
「あのね、」
「うん」
「…いっかいもない、でしょ」
「…ん？」
探り探り
閉じそうな口を無理矢理開いていますなんて様子で必死に言葉を紡ぐから
俺も聞き逃すまいと静かに聞くけど、結局意味がわからなくて聞き返す
目をぎゅ、と細めたその顔は恥ずかしいのを耐えているらしい
「つ、付き合って…というか付き合う時から」
小さな声で粒がれる言葉はどんどんと早口になる
Aは下がっていた眉をあげて、
「マホトは、一回も…
す、好きって、言ってないんだよ」
最後には怒ったようにそう言った
「…え、」
その言葉の破壊力はなかなかのもので
俺はぽかんと固まってしまう
まさかそんな事で？
なんて
真剣なAには悪いけど、それが俺の率直な感想だった
俺のその反応にAは眉間の皺を深くして顔を赤らめる
｢大事な事だよ！
私ばっかりっ…だって、こんな｣
俺の目を見て怒りながら言ったかと思えば、ぼそぼそと
言葉じりは尻すぼみしていって
更には合っていた視線も再び下がる
…それはおそらくここからが本題なんだという事
気付いて、俺は両手で顔をあげさせて視線を戻す
「何？言って」
「っ…」
うやむやにしてしまえばすぐに逃げていくから
それはもう痛感させられているから
強引くらいがちょうどいい
今にも泣きそうな表情は逃げられない事を悟っている
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於音 - 本当にいい小説でドキドキ凄かったです！！感情が顔に出てしまいました笑笑これからも頑張ってください！ (2020年4月27日 23時) (
レス) id: 34eb78efc2 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - とてもいい小説で、泣いたのは、これが初めてでした！いい作品ですね！♪( ´ ; _ ; ` )これからも頑張って下さい (2018年10月1日 19時) (レス) id: d07448dafe (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - sakura829twinsさん» ありがとうございます！書くのもとても楽しかったですが、そういうコメントを頂けると本当に励みになります(^^)次はおそらく「恋人ごっこ」という作品がもうすぐ最終回ですので、もしよろしければそちらもお願い致します(笑) (2017年7月12日 17時) (レス) id: 9c4e44a43b (このIDを非表示/違反報告)
sakura829twins(プロフ) - 占ツクの小説を読んで泣いたの初めてです(泣)ほんとにいい話でした！読めてよかったです！！ (2017年7月10日 19時) (レス) id: d081082d44 (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - みにーさん» 作者の作品一覧からご覧下さい(^^)それでも表示されない場合はネットから夢ツクールへ行って頂き、設定ページにてR18の表示設定をして頂ければ出てくるかと思われます。 (2017年4月24日 23時) (レス) id: 9c4e44a43b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももた | 作成日時：2017年4月2日 3時
