62話 ページ12
聞かれた、聞かれてしまった
それだけが頭の中を埋め尽くす
いずれは気付かれてしまう事だったのかもしれない
だけど、それでも
こんなに早く、こんな形で、なんて
もう頭の容量なんてとっくになくなっている
いろんな事実を前に、私は勢いのままに走り出していた
親友も、元彼氏も…レトさんも全部ほったらかして
走って、走って
だけど結局落ち着いた私は目的の場所に行くしかなくて
親友と連絡を取って、謝って、そのまま病院へと入っていった
何もかもが初めてで、言われたままに検査をしていく
なんだかもう現実の事じゃないような感覚に襲われていて
不安と焦りと悲しみと…なんていろんな感情で頭がうまく回らなかった
ただただ、結果を聞く覚悟だけを決めようと
「…え？」
腹をくくっていた
震える手を抑えながら
その結果を、聞いていた
そして私は次の仕事の日を迎えて
もちろんそれまでに親友には連絡済み
むしろ彼女以外には誰にも何も言わないまま
その日はキヨさんが来る事もなく、本当に日常に戻ったかのような時間だった
仕事を終えて、予報通りの雨の中傘をさして帰路につく
本当に何もない一日だったから
「っ…」
その姿を目にした時は、心臓が止まりそうで
マンションの前
あともう少し奥に行けば雨に当たらず済むのに
座って、俯いて
雨に濡れているその人はもしかしたら体調が悪いのかもしれない
どういう経緯でそうなったのかは分からないけど
このまま放っておくことも到底出来ない状況
私は意を決して…レトさんを傘の中へいれた
「…大丈夫、ですか」
震える声を抑えながら聞けばレトさんはゆっくりと顔をあげて私を見る
赤い顔、座った瞳
それは少し見覚えのある顔で
弱いと言っていた
普段は飲まないと
…そんな彼が、あからさまな酔い方
気まずさを感じている私とは正反対に、へらっと軽い笑顔を見せてくるレトさん
そんな彼に丁寧に状況を説明したんだけど、すぐに反応は返ってこなくて
少しの沈黙
そして
「……産むん？」
軽く眉間に皺を寄せて、低く、問われた
それはとても嫌な言い方で
産んでほしくない、と言われているのはよく伝わった
どうして、なんで
そんな疑問は一瞬で消えた
だって、それって、そういう事
自分との子の可能性がある
そう思ったんだと思う
むしろレトさんが嫌がる理由なんて、それ以外に考えられない
だからこそ産んでほしくない
なんて、そんな残酷な、現実
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稔(プロフ) - ももたさん» お返事ありがとうございます！！もう本当にドキドキしながら読ませて頂いてました！最後まで応援させて頂きます！！更新気長に待ってます！！ (2019年1月11日 22時) (
レス) id: 35aeef1de2 (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - 稔さん» ふおおありがとうございます！具体的な感想、本当に嬉しいです。展開はもう考えてあるので後は書くスピードだけなので、なるべく早く更新できるように頑張りますね！また見て頂けると嬉しいです(o^―^o) (2019年1月11日 0時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
稔(プロフ) - 最初の明るめな雰囲気とは打って変わって読めば読むほど、どんどんシリアスになっていく展開に気がついたらどっぷりハマっていました…もう展開が気になり過ぎて心臓がバクバクです！！更新楽しみにしてます！！頑張ってください！応援してます！！ (2019年1月10日 1時) (レス) id: 35aeef1de2 (このIDを非表示/違反報告)
うーろんちゃ(プロフ) - ももたさん» がんばってください！応援してます！！！ (2018年9月13日 22時) (レス) id: d9604aa4ed (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - うーろんちゃさん» 何だかダレて？きてるような気がしていたんですが..気になって頂けて嬉しいです！また今日から執筆頑張ります！！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: 9c4e44a43b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももた | 作成日時：2018年7月25日 1時
