20.シガラミ ページ21
. 渋谷side .
ずっと待ってた。
大倉の巣から、抜け出してくるAを。
ずっと…、ずっと…。
す「…A…」
ちょっと大きめのキャリーを引いて、目を腫らしたA。
ゆっくり近寄って、
抱きしめたら、ピクっと身体が揺れて、
戸惑いながら俺の名前を呼ぶ。
す「待ってた。」
『いつから、？』
す『ずっと前から…』
『すばるぅ、…っ』
す「もう、ええねん。何も我慢せんでいい」
「しんどかった…っ苦しかったっ」
す『うん…』
誰にも理解されず、日が経つにつれて自由が奪われる苦しみ悲しみは、どんなのだろう。
Aの感じる悲しみや苦しみ、全部注いでほしい…その痛みなら耐えられる。
『すばるっ』
す「…全部知ってるから…俺の前では
無理せんといて…」
『え、全部って』
病気の名前を呟いた時、Aは泣き崩れた。
さっきよりも強く抱き締めて、大丈夫と言い聞かせて
す「A」
『こんな私でもっ、いいのっ…？』
す「アホやなぁ…、好きで仕方ないわ」
『立てなくなるよ…？』
す「俺がイスになる」
『歩けなくなるよ』
す「寝転んでいいことしよう」
『変態…。』
ぷっ、と吹き出して笑ったA。
もっと笑った顔が見たくて
す「いつでも下着は本気のやつで頼むわ」
『ホントやだ〜バカー』
.
Aのためだけにアホなこと言って。
夜は手を握って眠れば、小さく笑って安心した顔。
こんなに…幸せなんは初めてで、
胸があったかい。Aの温もりを感じて
髪に触れて、撫でてはキスをして、
握った手のひらから、Aの苦しみを
全部取れるような能力あればいいのにな、って考えて
す「あした、病院いこな…」
聞こえてるはずやのに、返事をしないA。
す「連れてくぞ。」
す「なんで無視すんねんA」
でもそうゆう小さな反抗さえもかわいい。
隣にいつでもAがおるって、こんな感覚やねんな
.
エーデルワイスは誓いました。
この先何が起きようと、全てをかけて
彼女を守ると。
たんぽぽは涙を流して笑いました。
残りの自由な時間を、彼と過ごしたいと
心から思って涙がでたのです。
それは彼女にとって大きな心の動きでした。
柵を捨て、ふたつの花が向き合う時、
それは…終わりへのはじまり。
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∞くらゆい∞(プロフ) - 華花さん» 華花さん、ありがとうございます！感動していただけたんですか(；；)めっちゃ嬉しいです。私も最後までドキドキして書いているので、移行先でもよろしくお願いします！ (2018年5月8日 10時) (
レス) id: d641cf3230 (このIDを非表示/違反報告)
∞くらゆい∞(プロフ) - みくさん» みくさん！ありがとうございます(；；)そう言って頂けるだけで、ほんと描く気力になりますし、毎回泣いてくださるなんて、ほんとに嬉しいです。移行先でも、どうかよろしくお願いします。 (2018年5月8日 10時) (レス) id: d641cf3230 (このIDを非表示/違反報告)
華花 - とっても切なくて感動しました。結末がどんな風になるのかドキドキしています。応援してます。頑張ってください。 (2018年5月8日 0時) (レス) id: d8b8a4fb67 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - こんなにも胸が苦しくて毎回泣けるのは初めてで、切ないのは久しぶりです。どんな結末でも最後まで楽しみにしています。 (2018年5月7日 22時) (レス) id: 74ebaad20b (このIDを非表示/違反報告)
∞くらゆい∞(プロフ) - めちゃさん» めちゃさん…すごく嬉しいです…。もうすぐ移行になります。移行先で完結になる予定でいますが…ほんとに、ほんとにそんな言葉は嬉しいです。ありがとうございます。最後までみてほしいです。 (2018年5月7日 22時) (レス) id: d641cf3230 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∞くらゆい∞
| 作成日時：2018年4月17日 17時
