17.口癖 ページ18
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いつもみたいに、料理を作ろうとしていただけ。
「っえ、」
指が…動かない。
「嘘でしょ、…」
どうしよう、怖い、どうしたらいいの、
「すばる…っ」
無意識にすばるを呼ぶ自分に驚く。
「あ。戻ってきた。」
徐々に指が動かせるようになっていってほっとした。
「お鍋出さなきゃ。」
棚を開け、お皿をのかし、奥にある鍋を出そうとした時だった。
「っ、」
指が動かない、足に力が入らない。
ガクッと崩れた反動で、鍋とお皿に手が触れてしまって、
− ガタガタッ…ガシャン
「どう、しようっ」
どうすればいいか戸惑ってると、めったに開くはずのないリビングのドアが開いた。
2日連続で帰ってくるなんて…
驚きつつも、忠義の冷ややかな目に気付いて焦る
「ごめんっ…すぐ治すから…」
指の力がまた戻ってきた。良かった。
早く立って、早く片付けなきゃ、
また忠義に怒られるんじゃないか、嫌われてしまうんじゃないか、
どくどくと、身体中に緊張が回る。
お願い、早く立って。動いてっ、
忠義に怒られちゃうじゃない、また迷惑かけちゃう
変な女だって思われるっ
焦れば焦るほど、立てないことに苛立つ。
手に力が入る。汗が出る。
大『立てへんの？』
忠義は首をかしげた。
大『…どうしたん？』
そうつぶやき、私の元へ忠義がくる。
来ないで、いや、怖い。
「大丈夫、立てるから」
早く立たなきゃ、早くっ。
忠義がしゃがんで、私に目線を合わせ、
私の顔を見る忠義が怖くて、私、何されるんだろうって思うと、ほんとに逃げたくなって。
大『A…？』
名前を呼ばれた。目が合った。
どれも、とても久しぶりだけど、
忠義に見られていること自体が、怖くて仕方ない。
大『立てへんのやろ。』
差し出された手。前までその手を求めてたのに
今となってはもう…。
その手で、弓子さんを抱いて
抱きしめて、髪を撫でてるんでしょ、
やだ、触れたくない。
そんな思いも入り交じり、ビクッ…と自分の身体が揺れる。
「ごめんなさい、」
忠義に対する言葉はどんなときも、これが正解だから、口癖。
優しさに背けば、また嫌われるだろうな、
でも触れたくない。そんな葛藤で手を取るか迷ってた。
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∞くらゆい∞(プロフ) - 華花さん» 華花さん、ありがとうございます！感動していただけたんですか(；；)めっちゃ嬉しいです。私も最後までドキドキして書いているので、移行先でもよろしくお願いします！ (2018年5月8日 10時) (
レス) id: d641cf3230 (このIDを非表示/違反報告)
∞くらゆい∞(プロフ) - みくさん» みくさん！ありがとうございます(；；)そう言って頂けるだけで、ほんと描く気力になりますし、毎回泣いてくださるなんて、ほんとに嬉しいです。移行先でも、どうかよろしくお願いします。 (2018年5月8日 10時) (レス) id: d641cf3230 (このIDを非表示/違反報告)
華花 - とっても切なくて感動しました。結末がどんな風になるのかドキドキしています。応援してます。頑張ってください。 (2018年5月8日 0時) (レス) id: d8b8a4fb67 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - こんなにも胸が苦しくて毎回泣けるのは初めてで、切ないのは久しぶりです。どんな結末でも最後まで楽しみにしています。 (2018年5月7日 22時) (レス) id: 74ebaad20b (このIDを非表示/違反報告)
∞くらゆい∞(プロフ) - めちゃさん» めちゃさん…すごく嬉しいです…。もうすぐ移行になります。移行先で完結になる予定でいますが…ほんとに、ほんとにそんな言葉は嬉しいです。ありがとうございます。最後までみてほしいです。 (2018年5月7日 22時) (レス) id: d641cf3230 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∞くらゆい∞
| 作成日時：2018年4月17日 17時
