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唯一、部屋にある窓から春の訪れを知らせる暖かな太陽の光が差し込む
その光の向こうに何かが見える気がして冷たいベッドから下りて外を眺める
けれど、そこにはいつものように中庭の真ん中にある大きな桜の木しかなかった
桜は八分咲きまできていて、あと数日もすれば満開になるだろう
そして、それはとても綺麗なのだろう
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......今の私には眩しすぎるぐらいに
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「岸本さん」
私の担当の間宮さんに呼びかけられ振り返る
間宮「岸本さんと面会がしたいという方が見えてますが...どうしますか？」
「ぁっ...ぇっと、ぉ...」
間宮「...まだ落ち着けてない？」
「...すみません」
間宮「貴女が謝る必要ないわよ、焦らなくていいんだから」
そう言って、間宮さんは柔らかい笑みを私に向けてくれる
それがまた綺麗で...私は何も言えなくなる
「......」
間宮「じゃあ、お断りしてきますね」
「...お願いします」
部屋から出る寸前で間宮さんが振り返る
間宮「あまり難しく考えちゃ駄目ですよ？」
「...」
その一言だけを残して間宮さんは来客が待っているであろうこの階のナースステーションに向かった
一人残された部屋はとても静かで外の桜を撫でる風の音しか聞こえない
殺風景なこの部屋はこうして居るだけで気持ち悪くなってくる
そして、そんな部屋と自分も同じなんだと思うと眩暈までも感じる気がする
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私は自分が誰か分からない
気がついた時にはここにいた
そして、一つだけ教えられたこと
...私は全てを失ったということ
私の中は空っぽなんだ...
今、ここにいるのは私の器でしかない
本当の私じゃない
でも、"本当の私"も分からない
そんなことを考えてる間にも時間は過ぎていくばかりで...
輝きの無い毎日を送っていた
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黒にゃんこ(プロフ) - ゆうさん» ただ、私の場合いくつかの曲を聴いて作品の登場人物が動いてる姿が浮かんだりするので、その曲のイメージだけで書いているわけではないので、所々違うところもあると思います。作品を読むときはそこをご理解ください。でも、興味を持ってもらえてとても嬉しいです！ (2015年8月9日 19時) (
レス) id: e169b48ed4 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃんこ(プロフ) - ゆうさん» はじめまして、コメントありがとうございます！ゆうさんの言う通りその曲のイメージをお借りしています。 (2015年8月9日 19時) (レス) id: e169b48ed4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - わたしThe Overが大好きで、嵐さんでお話書かれてるのを探してまして、こちらの小説を拝見させていただいたんです！。もしそうなら、読みたいなって思いまして、、、。 (2015年7月26日 14時) (レス) id: a9e521faa0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - はじめまして。このお話って、UVERworldのThe Over を元にされてますか？ (2015年7月26日 14時) (レス) id: a9e521faa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒にゃんこ | 作成日時：2015年6月14日 15時
