神ならざる者2 ページ22
突然頬に添えられた手に驚き、ビクリと反応するA。
その様子を見た三日月は、ほんの少しの欲を含んだ美しい目でAを見つめ、唇は孤を描くように動いた。
三日月「…ふむ、神力が強いな。恐らく太郎太刀と次郎太刀の加護によって護られているか…
それにしても、まだ付喪神の居ない短刀に憑いたということが不思議だな。
まだ童でありながら物事を理解するのも早く、大人びている…やはり只者では…いや、元々他の人間よりも特殊だったのか…？」
A「…？」
何が言いたいのか、というように僅かに首を傾げるA。
三日月「…じじいの独り言だ。多く語り過ぎてしまった、すまんな。
もしも昔、お主を神隠しにしたのが俺なら、俺の守り刀として俺の側に居てくれたのだろうか…」
いつもとは違う。
Aはそう感じつつも、まるで金縛りにでもあったかのように体を動かせない。
三日月「…いや、今ここで。
神隠しをするのもありかもしれぬな。
太郎太刀と次郎太刀は、お前の氏まで知っている故神隠しにできた。
…お前の全ての名は、何だ？」
どうしよう、そんな思いが頭を占めると、目をきつく瞑った。
…その時。
太郎「＿＿Aを、他の付喪神の守り刀にさせるなど、私達が許すとでもお思いですか？」
次郎「この子は…Aは、アタシ達の譲れない大切な妹、替えなんて存在しない家族なの。
そう簡単に…いえ、絶対渡さないわよ。」
三日月の肩を背後から強く掴むのは太郎太刀。
Aを三日月から優しく離すのは次郎太刀。
A「太郎兄様…！次郎兄様…！」
三日月は、面白いとでも言うように笑みを深めた。
三日月「…はっはっは、冗談だ。そう怖い顔をするな。
俺が考えるよりも護りが強かったようだな。」
次郎「そりゃあもう。
ほら、兄貴だってAちゃんが好きすぎるから…あら、この辺でやめとこっか。兄貴が怖い。」←
A「…？」
三日月「なるほど。
…だが、俺は諦めるつもりはない。宣戦布告…というやつかな？
A、またいつでも遊びに来るといい。歓迎するぞ。」
A「は、はい！ありがとうございます。」
次郎「あちゃー、これは尚更Aの元から離れられないね？」
太郎「…譲りませんよ。」
二人の兄と三日月との間で起こる火花に、未だに上手く状況が読み込めないAは、ただただ首を傾げていた。
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あい - この小説何回も読み直しました！とてもお話が素敵でとても面白かったです！続きも頑張ってくださいね！ (2019年1月2日 2時) (
レス) id: 3de2951021 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこゆき - 文月緋さん» ありがとうございます！毎回遅くて申し訳ないです；；めちゃくちゃ頑張ります！(( (2016年8月14日 10時) (レス) id: 1d3ce8f2e0 (このIDを非表示/違反報告)
文月緋 - おお！！続き楽しみにしてました。これからも頑張って下さい！ (2016年6月15日 20時) (レス) id: 3f8854c3dd (このIDを非表示/違反報告)
ひよこゆき - 名無し91309号さん» すみません、次郎には口調に女性っぽさのあるがれっきとした男性として描けるように私も注意を払っていましたがまだまだ私の配慮不足でした…申し訳ありません。ご指摘ありがとうございました、是非参考にさせていただきます。 (2016年6月5日 17時) (レス) id: 1d3ce8f2e0 (このIDを非表示/違反報告)
名無し91309号(プロフ) - 次郎は一人称女みたいだけど話し方は普通に男ですよ。特別女になりたいという願望もありません (2016年6月5日 14時) (レス) id: 1e7336d97f (このIDを非表示/違反報告)
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