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10.JIN 2 ページ10

その部屋の中ではたくさんのケーブルが部屋を横切り、
デスクが壁に向かって二つ並んでいる。
一つずつのデスクの上には液晶画面がそれぞれ三台並び、
キーボードやマウス、リモコン、ヘッドフォンなど
色んなものが置かれている。
片方のデスクの上はきちんと整頓されている。
あ、僕のだから。


Aはパジャマをきて、足を椅子の上にのせて
ヘッドフォンをつけて画面に夢中になって両手を動かしていた。
ドアを開けたところからは横顔がみえる。

所々で

『あぶなっ』
『よし、ヘッショ』

なんて、ぶつぶつ言いながら嬉しそうに笑っていた。


『やったー!ビクロイ!』


ふぅふぅー!なんて言いながらちょうどヘッドホンを外した。


『ソクジン!みてた?今日15回目のビクロイ!』


ゲーミングチェアから立ち上がり、伸びをして後ろ手にドアを閉める僕を振り返る。
夜中に突然現れた僕を見てもいつも何も驚かない。


「15回?たったの?」


カバンを置いて、中からペットボトルを取り出す。
一つはAに投げて、一つはキャップを回して飲む。


『なによー。ソクジンはできるの?』


ぷっと頬を膨らませて、不満げな顔を隠さない。


「できる。いや、できないかも」

ひゃっひゃっと笑って、チェアに座りPCの電源を入れる。
ゲーミングキーボードを手繰り寄せ、マウスを動かす。


『まだJINだねー』

「あ?」

そう言われて思わずAをみる。

『キラキラしてる』

Aがふふっと笑う。

「メイク落ちてない?」

『あぁ、そう言うんじゃなくて。アイドルオーラがまだ出てる。いつもうちにきた最初はそうだけど』

「やー、そんな事言うなよ」

『なんで?それはソクジンの努力でしょ』

「ワールドワイドハンサムJINは隠しきれ…」

『はいはい、ハンサムハンサム』

「おい」

『JINは私の知らない人。ソクジンが私の友達。そうでしょ?いつも目が虚でヒゲがはえて廃人になってるおじさん』

「それだれのこと」



けらけら笑って、僕を指差しロングの髪を後ろに流すA。
すっぴんだし、パジャマだし、色気なんてものはない。

けどAは僕にとって、本当に必要な存在で。
昔から変わらず僕をソクジンとして扱ってくれて、
尚且つゲーマー仲間なのもあって、
こうして時間ができれば
Aの家にこもってひたすらゲームをする。


『ソクジン久しぶりだしデュオしよー』

「ん」

もうお互いに目も合わせず、ゲームの画面へ集中する。

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作者名: | 作成日時:2021年4月30日 23時

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