35. ページ35
『ちょっと!!!ほんと!!!お願いだから一瞬黙って!!!まじで黙って!!!』
Aの怒りを含んだ叫び声がリビングに響き渡る。
同時に掴んでいたリモコンの音量をどんどん上げ、
リビングコンサート状態。
CMの間に、パッと立ち上がり部屋の照明を消す。
バタバタ慌ててまたテレビのど真前へ座る。
「えっ、ちょっとぉ」
『シッ!』
唇に手を当てて、睨みつける。
アミボムのスイッチを入れて、固唾を飲む。
そして、始まる歌謡番組。
『っっっ!ジンんんー!!!!』
Butterが流れ出すと同時に始まる雄叫びと、振り回されるアミボムの光が綺麗で眩しい。
『えっ、ちょっ、ジンのスーツ似合いすぎぃ。裏地ピンクってかわいすぎやろ』
『なんでクオズはグローブつけてるんや。スタイリストオンニ最高』
『待て待て待て。ホビの髪色もスーツが1人濃い色なのも半ズボンなのも尊すぎるやん』
『…ユンギはどこまでイケメンになっていくんや。これ以上何人抱き抱えるつもりや』
『やー!じょんぐがぁ!こんなセクシーなマンネがどこにおるねん!』
『1番の問題児や。ナムジュン、これは問題や。なにこれ。可愛いとセクシーの混在。なにこれ、何色?なんなん。どんだけリアコ増やすつもりなん。なんなん、ほんま。イケ散らかしすぎてるやん。大好き』
早口で捲し立てて、もう方言出ちゃってる。
最後のポーズが決まり、曲が終わると盛大な拍手。
それに目がキラキラと光って涙が溢れてる。
『もう、ほんとに、最高。ありがとうウリバンタン。あなた達のアミで本当に幸せ』
そう言って、立ち上がりティッシュを受け取って涙を拭う。
RJの夏用パジャマを来て、前髪はひとつに結ばれて髪の毛全体はお団子に。お風呂上がりだから(この為にさっさとシャワーをすましていた)すっぴんなんだけど、肌もつるつる。まつ毛も長い。
腕も足も長くて、まるでモデルのよう。
余韻を味わう為だと、よく言っているだけあってテレビはすぐに消して鼻をかんでいる。
『あー…幸せだった…』
ポイっとティッシュをゴミ箱に向かって投げて、届かず手前に落ちる。
チッと舌打ちをして、ゴミ箱に入れて部屋の電気をつける。
パッと明るくなるリビング。
そこには、番組中息を止めるように存在を消すようにしていた男7人の姿が。
400人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蘭 | 作成日時:2021年4月30日 23時