RUN BTS (ページ21)

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リビングでヒョンたちが待っているのは分かっていたけど、Aと2人で話したいことが沢山あった。
たまに、そろそろナムオッパに…って言うからこちょこちょしてやったら笑い転げてたし、フライトの疲れもあったんだと思う。

「ほんとにそっくりだな寝顔も」

「ちょっと、静かに。パシャ」

「あっ、待って僕も」

「テヒョナ怒るかな(笑)」

「あー。この2人はもう芸術だよ」

「久しぶりに会えて嬉しかったんだろうね、お互い」

「Aはほんとにきれいだな」

最後にボソッとつぶやくユンギヒョン。

「ヒョン、Aは僕のです」

真剣な顔でヒョンにそういうと、また頭をはたかれた。

「え。なについに告白しちゃうの？」
「自覚しちゃった？」

「ナムジュナ、調子のるな」

「でも、俺はAが好きなんです」

きっぱりそう言い切ると、シーンと静まり返ったあとみんなが声を出さないように笑い転げている。

「この瞬間がついに訪れるとは！」
「長い道のりでしたねヒョン」

「ずっと好きだったけど我慢してたので」

「わー！ヒョン、かっこいい！」

「俺はテヒョナの兄になるのか…」

「今もじゃん」
「気が早ぎだよ！」

ジニヒョンとジミナに激しくつっこみを入れられる。さすがだな。

「しばらく寝かしといてあげようよ」

優しくホビがそう言って、みんなを部屋から追い出す。
ちらっと俺の顔を見て微笑んだホビは、先にドアを半分閉めて出て行った。

俺とキム兄妹しかいなくなったテヒョンの部屋で。
ベットまで戻り近寄って、Aの頬を少し触る。

「A。愛してる」
「ごめんテヒョナ、Aが好きだ」

小声でそう言って立ち上がる。
ぐっすりと眠っていて身動きひとつしないけど、テヒョンにもAにも聞こえてない…か。

「愛してる」

テヒョンとA。
Aは涙を静かに流しながら、目をつむっている。
2人がどんな夢を見ているのか分からないけど、
幸せな夢だといいな。
そこにメンバーが、家族が、俺がいたらすごく幸せだから。

今日は留学からAが帰ってきた日のことを昨日の事のように思い出す。
なぜだか無性に恋しかったあの日。
恋を認めて宣言したあの日。
あれから沢山の事があったけど、
今日も隣からはバラの花の素敵なかおりがする。
真っ白なドレスを着たAは涙が出るくらい綺麗で。

「A俺の隣にずっといてくれる？」

花よりきれいな笑顔が俺を包み込んでくれた。