RUN BTS (ページ12)

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12.JIN 4 ページ12

「どこ行ってたの？」

目覚めたら一人で、少し拗ねたような声が出てしまう。
Aは靴をぬぎながら、買い物袋を二つも抱えている。

「買い物？」

そう言って袋をAの手から受け取る。

『うん。そろそろお腹すいたでしょ？』

「すいたけど。こんな時間に」

『どんな時間？私もさっき起きたもん』

だから仕方ないのーって笑いながら、キッチンに向かうAの背中をおいかける。

「起こしてくれたら一緒に行ったのに」

袋から買い物を出して冷蔵庫にしまいかけていたAは呆れたように、僕をみつめる。

『何回も起こしました』

一言一言頷きながら念を込められるように言う。

『起きなかったのはソクジンでしょ。何食べたい？なんでも作るよ』

ってにっこり笑う。

「全然気が付かなかった。ごめん。僕も手伝うよ」

カウンターからキッチンに回り込むと、ストップ！と言わんばかりに両手を広げたAに通せんぼされる。

『あー。だめだめ。ソクジンは出されたご飯をたべるのみ！』

「なんで」

『休みは始まったばっかりでしょ？まだゆっくりしてなさい』

僕の肩より低いところから僕を見上げて、怖い顔。
その顔が面白くて、吹き出してしまう。

「オンマかよ」

『オンマからソクジンの事お願いされてます！』

「あー、はいはい分かりました」

そう言って、Aの脇をこしょこしょする。

『やーめーてー』

けらけら笑うAの笑顔を見ると、自然に綻びる僕の顔。

まだちょっかいをかける僕をAは背中を押して遠ざける。

『…ソクジンはテレビみるかゲームでもしてて。出来たら呼ぶから』

急に顔を赤くしたAは、手を振ってあっちへ行けと言わんばかり。

「仰せのままに」

にやっと笑って、テレビの前のソファに座る。
リモコンを手に取って、テレビをつける。

ついた画面には…
BTS WINGS TOUR
BTS LOVE YOUR SELF
BTS SPEAKYOUR SELF

再生リスト…お気に入り…

は？(笑)

「やー、A。いつからarmyになったんだ？」

『army？なるわけないじゃん』

トントンとまな板を包丁がたたく音が小気味良く聞こえる。

「だよなー。僕の歌聞いたことあるの？」

『あるわけないでしょ。興味ない』

カチャカチャと食器棚から何かを取り出す音、ジュージュー焼く音といい匂いがする。

再生途中…epiphany…

「A…BTSって知ってる？」

『BTS？さすがにそれは……っあ！！』