2.JIMIN ページ2
「A〜、もう泣かないで」
コンサートが終わり疲労と高揚感の中、アンコールからずっと泣いているAの肩を抱いて歩く。
「よく頑張ったな」
そう言ってAの頭に触れて、笑いながら通り過ぎていくいくホソギヒョン。
「A?」
『ジミナぁ』
涙で濡れた瞳で俺を見上げて。
しゃくりあげながらも、すっきりとした表情のA。
『アミたち…今日も応援してくれた』
そう言って微笑んでまた目に涙を浮かべる。
たくさん愛されて、僕たちは幸せだ。コンサートはそう言った感情が形を持って現れるから、Aだけじゃなく、僕たちも溢れ出してしまう。
『嬉しかったよぉ〜』
またぽろぽろこぼれるキレイな涙。
「あはは!分かるよ。本当に僕たちは幸せだね」
うんうんと頷くAが可愛くて、持っていたタオルを頭からかぶせる。
顔は見えないけど、立ち止まって俺の腕をとってぎゅっと手に指を絡めてくる。手を繋いだまま控室まで歩く。
あぁ、可愛いなぁ。
泣いている姿も泣き止もうとしてる姿も可愛くて、顔が緩みっぱなしだ。
『ありがと』
そう言って顔を上げて、にっこり笑ったAはまだ目が赤いけど。めちゃくちゃきれいだった。
金色に染まった髪を照れ隠しにかきあげる。
汗と、ジニヒョンにかけられた水でべたべただ。
『ジミナのがびしょぬれだよー』
俺が渡したタオルを頭からはずして手に持ち、背伸びして頭を拭こうとしてくれてる。
「ん」
立ち止まって、Aに目線をむけて、かがみ込む。
にこっと笑ったAはそのままわしゃわしゃと手を動かす。
『はいっ、早くシャワーしなきゃね』
そう言って髪からタオルを外して、また俺の手を握って歩き出す。
「一緒にはいる?」
なんて、にやりと笑ってそう言ったら。
『うん。一緒がいい』
なんて照れもせずに、不思議そうに答えるから俺の方が動揺してしまった。
「許しませーーんっ!」
って、当たり前にジンヒョンに止められたけど。
Aはなかなか僕から離れなくて、拗ねてるように見えたのは僕の気のせいかな。
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作者名:蘭 | 作成日時:2021年4月30日 23時