22 ページ22
予備はまだあるし。
…涼介には…もうあげられないし。
A「こんなんで悪いけど、応急処置だから…」
布を膝に巻きつける。
・
・
・
慧「それ、ハチマキじゃん…」
赤色のハチマキを見て、目を見開く慧。
A「そうだけど…コレあげるよ。」
予備だから。
そう言おうとしたら被せ気味に慧が喋る。
・
・
・
慧「ねぇ、好きな人にハチマキあげる…ってヤツ?」
A「…それは…」
慧「だってコレほんとはさ…山田にあげるヤツでしょ?」
A「えっ…」
・
・
・
慧「でも俺さ、Aが好きだって言ったよね?
だから俺がそういう風に捉えても…いいってこと?」
…違う。
本当は、涼介にあげたかったの…
だけどもう…
・
・
・
慧「否定、しないの?」
そう言われてハッとなる。
A「あのっ…」
「いのちゃーん!最後にやるけどできそうー?」
校庭から慧を呼ぶ声がする。
・
・
・
慧「今行くわー!」
椅子から立って靴を履く慧の後ろ姿になんて言っていいかわからなくなって。
慧「時間切れ。」
A「えっ…」
慧「後夜祭…楽しみにしてるから。」
・
・
・
ヘラっとした笑みなんかじゃない笑顔で校庭に戻っていく。
時間切れって何…後夜祭って…
A「…どうしよ…」
取り返しのつかないことになってるような気がする。
・
・
・
「…今の何。」
シャッと開いたカーテン。
ベッドに座る涼介が冷たい視線を私に送る。
A「え…涼介…いたの…」
・
・
・
待って。…ってことはハチマキの下りもまさか聞かれて…?
A「いつから…」
涼介「今の何って聞いてんだけど。」
有無を言わせない涼介の低い声が刺さる。
・
・
・
ベッドから降りて私に近づく。
机に片手を突いて、見下ろす涼介がいつもの比じゃなく怒ってるのがわかる。
涼介「お前、俺のこと避けてんだろ。」
私の頭にはいつものどうしたら機嫌を直せるかなんてことはなくて、
涼介の本心が聞きたい、ってことしか頭になかった。
・
・
・
383人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゃろむ。(プロフ) - タイトル表記についてですが、×を使うとBL作品だと勘違いしてしまうので変更していただけると有り難いです…BLだと思って楽しみにタイトルをタップしたらノーマルだった時あまり気分の良いものではないので、よろしくお願いいたします (2019年9月30日 21時) (レス) id: 3203af1df4 (このIDを非表示/違反報告)
萌(プロフ) - 山田くんにキュンキュンしっぱなしでした! (2016年1月4日 13時) (レス) id: cf9da137e2 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - このシリーズ大好きです!!続々編もみたいです!涼介サイドとかでお願いします。この作品で元気もらってます! (2016年1月3日 22時) (レス) id: 2dbcbac383 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきちゃづけ - すごく面白かったです!きゅんとしました! ちなみに私もジャニヲタ (2015年12月30日 11時) (レス) id: c0b5c41e9f (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - マッキーさん» ありがとうございます!! ジャニヲタですね。笑 (2015年9月9日 9時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あすみ | 作成日時:2015年7月25日 9時