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腕の中ではしゃぐ私に、中也さんは何故か怒る。
「手前っ何言ってんだッ・・・!今下ろしてやるから大人しくしてろ!」
雑な言葉遣いとは反して、紳士的に私を下ろしてくれる。
仕事の時には冷酷なのに、こういう時は本当に優しさを感じます。
「なぁ、A。手前は賢い奴だ。知識も計略も申し分ねぇほど」
『突然どうしました?』
いきなりすぎて驚きですね。
私が訳が分からないという顔をすると、壮大なため息をつかれてしまいました。
「意味知ってるか?男と月見て綺麗ですねはやめとけ。・・・他の誰にも言うな」
・・・・・・あぁ!
分かりました。言っている意味が!
というか、むしろ中也さんその言葉の意味を知っていたのですね。意外です。
『でも私、月は実際綺麗だと思いますよ?』
「まぁな。でも誰にでも言うのは止めとけ。勘違いされんぞ。特に太宰の野郎はその手の無駄な知識持ってるから間違っても言うな。これは命令だ」
あぁ。目が本気です。
珍しく命令までするとは。
間違ってその言葉を太宰さんに言おうものなら私まで異能で葬られそうですね。
気をつけましょう。
『大丈夫ですよ。それにしても・・・暖かいですね』
「・・・割と寒くねぇか?着物ってあったけえのが?」
首を傾げる中也さん。
さすがにコレは知りませんか。
・・・私のこの気持ちを今日も貴方は知らないのでしょうね、中也さん。
『えぇ。私はずっと暖かいですよ。さぁ中也さん、月見しましょう』
月を背にして中也さんに笑いかける。
一瞬驚いてから、中也さんは「はしゃぐなよ」と言って空を見上げた。
私は、いつも中也さんの傍にいられて幸せです。
〜〜〜幹部の独り言〜〜〜
Aが月見をしている最中・・・
楽しそうな部下をみて、俺は感じる。
屋上はコイツを独り占めできる場所。
自分じゃ気づいてなさそうだが、端正な顔立ちで一部の構成員や黒蜥蜴に人気のコイツ。
着物なんて艶かしい格好を見るのも、
あんな綺麗な笑顔を見るのも、
姫抱きすんのも、
俺だけで良い。
そんな感情、バカみたいだけど独り占めしたくなんだよ。
でも今は・・・この月見を楽しむか。
「今夜も月が綺麗だな」
小さく呟く幹部の言葉は、想い人には届かない。
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出雲(プロフ) - ありがとうございます!直ぐに訂正しますね!今後も頑張ります!! (2017年2月5日 21時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴(プロフ) - 25ページのナオミンのセリフの(名前)が名前になってましたよd(^-^)確認お願いします。中也さんストッパー係柊…w頑張れ作者様と柊ちゃん! (2017年2月5日 20時) (レス) id: 72f0cf2fb8 (このIDを非表示/違反報告)
出雲(プロフ) - コメントありがとうございます!あくまで紅葉の姐さんが思い立ったことです。夢主については今後の展開を楽しみにしていただけると嬉しいです! (2017年1月14日 23時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
澪標(プロフ) - えっ、嫁ぐの?それすっごく歓迎しますけど。 (2017年1月14日 21時) (レス) id: 4f3e33676a (このIDを非表示/違反報告)
出雲(プロフ) - コメントありがとうございますー!勿体無いお言葉に涙がでそうです(><) 今後も銀食器娘をよろしくお願いします!! (2017年1月14日 8時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:出雲 | 作成日時:2016年12月31日 0時