側近は電脳少女 ２

データ32 ページ34

・・・は？



引越し？？






志賀直哉の話によると、メルロ行方不明に加え藍波Aまで行方不明であることがマフィアで騒ぎになっているらしい。



そして、首領である森鴎外が、その捜索を志賀直哉に一任して、集中できるようにとホテルを一室渡したらしい。





志「そこのホテルは年契約で・・・ここにいるよりも君が見つかる心配がないからねぇ・・・。やぁ森鴎外には感謝だね！僕とメルロだけの部屋をくれるなんて」




・・・・・・森さんが、そんなことを？



あの合理主義で頭が良い森さんが？




疑問に思いながらも引越しとやらはサクサクと勧められた。


私は志賀直哉の異能で彼のパソコンから彼の携帯電話に居場所が変わった。


一瞬どうにかなるかもと思ったが、ファイルごと移動をしただけなので私は幽閉されたままだ。



『・・・』



よって状況に変わりはなく、暗く何もない空間に独りきり。



携帯電話をはじめとするネットワークへの接続全てが遮断されているため、今自分がどこにいてどんな状況かも分からない。



そのまま、刻々と時間がすぎていった。







突如携帯の電源が入り、空間が明るくなった。


志「・・・さぁ僕とメルロの愛の巣だよ」


見えた光景は綺麗な建物の廊下、そして2003というルームナンバーのついた扉。


引越し先のホテルだろう。



そのままガチャリと扉を開ける音がする。



逃れたい。
・・・こんな所に居たくない。







・・・・・・必ず助け出す


という中也さんの言葉を思い出してしまう。






あなたに嘘をついて、
身勝手に行動をして、



あれだけ振り回しておいて、






・・・助けて、と思う私は狡い。

でも、心のどこかで願ってる。



『助けてください、中也さん・・・』

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