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犯人に値する条件は絞られた。


とにかく犯人を突き止めなければならない。

Aと中也の今後を左右する問題。


犯人との取引をしてからAはマフィアのパソコンに釘付けになった。







翌日の晩


仕事を終えた中也は、疲れた身体を引きずりながら自分の執務室と離れた廊下を歩いて居た。



Aの部屋に行くためだ。



片手には差し入れとして彼女の好きなスコーンの入った袋を下げている。


昨日からAは部屋にこもりきりで仕事をしている。

休憩もろくに取らないらしい。


そんなAを気遣ってのことだ。


まぁ、先日森鴎外に言われた命令でもあるのだが・・・


部屋の前でドアに手をかけ、先日脱衣所で起こった騒動をハッと思い出し、手を離した。


ーーーコンコンコンッ


今度はノックをしてから、ドアノブに手をかける。


中「入るぞA」


そこには・・・机に突っ伏したまま眠ったAの姿があった。


中「おいおい、無理し過ぎだろ・・・」


彼女に近寄り、そばにあった膝掛けをかける。


すると、彼女が不意に呟いた。




『主・・・』



主・・・の言葉に、中也は反応してしまう。


その言葉は、彼が探す人工知能メルロが彼を呼ぶ時の呼称だ。


辞めろと言われてもやめなかった、その呼び名を。




『やっぱりメルロ・・・みてぇだな、こいつ』




悲しげな顔で彼女を見る。



一緒に過ごして、何度もメルロに似ていると・・・。中也はAとメルロを重ねていた。


中「なんかほんと・・・」


ーーー似てる。


思い立ったら真っ直ぐなところも、

しっかりしているところもら

慌てると敬語が外れるところも、



外見や性格がそっくりとは言えないが、似通ったところがあると中也は感じていた。



それでも実際は、声も性格も、立ち振る舞いもやはり違う。


メルロのようで、メルロではない。



そして・・・


中「・・・・・・無防備に寝てんじゃねぇよ」



そんな彼女に対して、




数年前に止まってしまった気持ちを呼び起こすかのように・・・


中「・・・A」


彼女の名前を静かに呼んだ。

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青鯖。(プロフ) - 出雲さん» 全然大丈夫ですよ!有難うございます! (2018年1月10日 19時) (レス) id: 87d9268c5a (このIDを非表示/違反報告)
出雲(プロフ) - 青鯖。さん» お返事遅くなってしまいすいません!ぜひ青鯖。さんの小説に載せさせていただきたいです! (2018年1月10日 18時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
青鯖。(プロフ) - 出雲さん» はい!勿論です!!私、イラスト集を営んでいるのですが、そちらに載せる許可を貰いたいのですが…。 (2018年1月9日 20時) (レス) id: 87d9268c5a (このIDを非表示/違反報告)
出雲(プロフ) - 青鯖。さん» イラストありがとうございます!!こちら小説に載せさせていただいても良いですか??? (2018年1月9日 20時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
青鯖。(プロフ) - 藍波さんhttp://uranai.nosv.org/img/user/data/9/c/7/9c72c58a63b60c2ba67c24aa0627d1fa.05.jpg 電脳少女メルロhttp://uranai.nosv.org/img/user/data/e/4/d/e4de4ba906237036327236814a8558b3.06.jpg出来ましたー!画質とかあんま良くないかも知れません…! (2018年1月9日 19時) (レス) id: 87d9268c5a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:出雲 | 作成日時:2017年11月3日 18時

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