第8話 ページ10
フィフス本部に到着し、聖帝の謁見の間に入る。
そこにはいつも通り玉座に座る聖帝イシドシュウジとその傍には虎丸さん、そしてもう1人が何やら打ち合わせをしていた。
聖帝がこちらに気付く。
イシド「来たか」
A「遅くなりました。私に会いたい人って…？」
？？「ボクだよ」
A「あっ、アフロディさん！！」
亜風炉「やぁ、久しぶりだね」
長い髪をまとめサイドテールにし、毛先にメッシュの入ったアフロディさんが立っていた。
その美しさ、というか人間離れしたような雰囲気は10年前から全然変わっていない、と常々思う。
この人は相変わらず綺麗だなあ…。
亜風炉「そう面と向かって言われると照れてしまうね」
A「へっ！？口に出てました！？」
亜風炉「ああ、バッチリね」
虎丸「ええー！俺には何かないんですか！？」
A「えーと…相変わらずお元気ですね…？」
虎丸「うう…なんか素直に喜べません」
A「す、すみません…」
イシド「まったく…」
私たちのやり取りを見て聖帝、もとい豪炎寺さんがクスリと笑みをこぼす。
私は聖帝の正体があの炎のストライカーと謳われた豪炎寺修也さんだということを知っている。
その事実を知ったときは驚いたと同時にあの豪炎寺さんと聖帝を結びつけることは難しかったが、秘密を知っている人の前では豪炎寺さんらしい表情を見せることが多いことに最近気が付いた。
亜風炉「じゃあさっきの話、できる限り力を尽くすよ」
虎丸「はい、よろしくお願いします！」
イシド「頼んだぞ。…ああそうだ、A、今日の報告をしてくれないか」
A「あっ、はい」
虎丸「俺たちの母校はどうでした？」
虎丸さんがきらきらとした目で話を促してくれる。豪炎寺さんも懐かしんでいるのか彼のツリ目が少しだけ穏やかになっているように見えた。
A「うーん、一言で言うとイマイチ期待外れでしたね」
ガクッというオノマトペが似合いそうなほど虎丸さんが肩を落とす。
虎丸「ずいぶん辛口だね…そもそもAちゃんのレベルが高すぎるんだよ？」
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作者名：master_2 | 作成日時：2023年3月19日 11時
