第47話 ページ49
A「…で、何の用ですか」
私は今、何故かフィフスセクター本部に呼ばれている。そして何故か隣に剣城がいる。
せっかくの休日を何故潰されなければならないんだ。
イシド「決まっているだろう、剣城の特訓だ」
A「何故私が付き合わなきゃいけないんですか」
剣城「『ファイアトルネードをマスターしろ』とムチャぶりしたのはどこの誰だ」
A「……」
ということで強制参加。
剣城は雷門のユニフォーム、私は動きやすい恰好に着替え、フィフス本部の地下にある練習施設に移動した。
イシド「今回は脚力とスタミナを鍛えてもらう。まずはA、剣城に向かってノーマルシュートをうて。そして剣城はそれを蹴り返せ。左右10回ずつ出来たら今日は終了としよう」
A「はーい」
剣城「よろしくお願いします！」
剣城がどこか緊張したような面持ちで豪炎寺さんに頭を下げる。
そっか、剣城の憧れのプレイヤーって豪炎寺さんなんだよね。
A「じゃあ始めるよー！準備いいー？」
剣城から少し距離を取り、サッカーボールに足をかける。
剣城は、来い！と気合十分な様子だ。
まずは一球、剣城に向かって蹴る。
ボールを蹴った瞬間、鈍ったな、と思った。
まぁ雷門に転校して以来、まともにボール蹴ってなかったもんね。
ボールは少し孤を描きながら剣城の方へ向かっていた。
剣城「ぉらあッ！！」
蹴る事は出来た。
しかしボールの勢いは殺しきれず、ボールはそのまま後ろへと転がった。
A「どうする？」
剣城「もう一回だ！！」
剣城が左右10回ずつ蹴り終える頃には剣城も私もへとへとだった。
A「はぁ…はぁ…何ッ回蹴らすんだよ…！！」
剣城「はぁ…お前が一度も手を抜かずに蹴ったせいだろ…！」
A「手え抜いたら豪炎寺さんに怒られるじゃん！！」
イシド「当たり前だろう。A、お前はスタミナが落ちている。サッカーができていないから仕方のない部分もあるが体力を維持する努力をしろ」
剣城の特訓のはずなのに私に対してもちゃっかり特訓してくれた。さすが豪炎寺さん、厳しい。
イシド「剣城は今日のようにパワーを意識して蹴ることを忘れるな。お前はテクニックは十分だがパワーが不足することがある。テクニック重視の選手が多い雷門では特に気を付けるんだ」
剣城「はい！」
剣城がやけに素直だ。
イシド「今日の練習は以上だ。次の練習の日取りはまた追って連絡する」
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作者名：master_2 | 作成日時：2023年3月19日 11時
