第35話 ページ37
A「申し訳ないんですけど、私が探している建物についてお尋ねしてもいいですか？この辺の土地勘がなくって…」
私は葉名野明に近づいて自分のポケットからスマホを取り出す。
地図アプリを立ち上げ道を尋ねるふりをした。
階段下にいた男たちも階段をのぼり、こちらに近づいてくる。
この距離なら届く…！！
私は全身全霊の瞬発力を使って一番近くに転がっているサッカーボールを蹴り上げると、二人の男に向かってボールを放った。
A「ごめんなさい！！ファイアトルネード！！」
『相手を傷つけるサッカー』は残念ながらゴッドエデンで学習済みだ。
ボールが顔面、みぞおちにそれぞれ当たると、二人の男は気絶してしまったようだ。
明「なっ、何なのあなた！？」
もう一度電話に手を伸ばそうとする葉名野明の手をつかむ。
A「えっと、手荒な真似してごめんなさい。葉名野明さん…いや、“華園”明さんですよね」
明「……！！どうしてそれを…」
A「貴方のことも、エクスターのことも、一通り調べらせていただきました。何故こんなことをするんです？あなたのお父さんだって、こんなことは望んでいないはず」
明は私が情報をほぼ握っていることを悟ったのか真顔になり、声色を変える。
明「…そう、そこまで調べられているのね」
電話はしないから手を離してくれない？少し痛いのだけど、と言われたので恐る恐る手を離してやると、とある一室に足を向けた。
あなたもいらっしゃい、とも付け足して。
明に言われるままついていくと、そこには1台のパソコンと大事な資料であろう紙束が机の上に山積みにされていた。
A「これって…」
明「廃校になった中学校の機密データよ。…まずは、先ほどのあなたの質問に答えましょうか」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：master_2 | 作成日時：2023年3月19日 11時
