最強シード=転校生!? (ページ36)

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第34話ページ36

葉名野明の話し声が聞こえてきたのは3階への階段をのぼりきった時だった。

明「……はい、今日集めたデータについてはパソコンで送ります。……はい」

話相手の声は聞こえないのでおそらく電話で話しているのだろう。
さらに聞き耳を立てる。

明「……そうですね、早ければ3日後、遅くとも1週間後には廃校にできるかと」

ビンゴ。この人が廃校に関わっているのは確かだ。

明「……はい、ではまた何かあればお知らせいたしますわ。…ええ、では後ほど、

千宮司様」

突然の知っている名前に喉がヒュッと鳴りそうになる。
千宮司大吾、おそらく彼女の電話の相手だろうその人物はフィフスセクターの黒幕、ゴッドエデンにいたころの私を散々利用していた人物だった。
ゴッドエデンにいたころの千宮司の振舞いを思い出し、怒りと恐怖で手が震える。
アイツ、無理やりシードを量産して私たちを苦しめていた上に廃校にまで協力してるなんて…！！

その時、私は会話の内容に気を取られすぎて階段をのぼる誰かの足音が響いていることに気が付かなかった。

「おい！そこで何をしている」

ふと気が付くと階段下に二人、屈強そうな男が立っていた。

A「しまった…！！」

明「何事ですの？」

男の声に反応してか、葉名野明も階段の方へやってきて、私は挟みうちになってしまった。
背中に冷たい汗が流れる。
このまま捕まえられて千宮司に報告されるのは絶対にまずい。
葉名野明と男二人、どちらかだけでも何とかできないだろうか。

A「…あ、ごめんなさい。とあるビルを探していたんですけど、間違ってここに入ってしまって…」

とっさに嘘をつきながら怪しまれない程度にあたりを見渡す。
すると葉名野明の後ろの方に、廃校になった学校から回収してきたのか、数個サッカーボールが転がっていた。

…一か八か、やるしかない。

私は葉名野明の方へ駆け寄った。