最強シード=転校生!? (ページ35)

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第33話ページ35

A「ここが伊賀島中…」

目の前には城かと思うほど豪華な和風の建物。ここだけ江戸時代風の雰囲気が漂っているが今は間違いなく令和だ。
昨日の話し合いの通り、私は戦国伊賀島中に来ていた。

「転校初日に呼び出してすまなかったね。では、明日からも元気に登校してくれるのを待っているよ」

遠くから観察していると、校門から理事長らしき老人と赤い髪をした少女が出てくる。
おそらくその少女が例の転校生である葉名野明だろう。

「はい、では失礼します」

私は葉名野明の後ろを、なるべくバレないように遠くから追いかけていった。

しばらく追いかけていくと、周りが住宅街ではなくオフィスビルのような建物がほとんどになってきて、やはり家に向かっているわけではないことを確信する。
このまま真っすぐエクスターの建物に行ってくれるといいんだけど。
さらに数分追いかけ続けると、葉名野明はとあるビルの中に姿を消した。

A「あれ、ここって…」

見覚えがあるような無いような建物を見上げる。
私も一応財閥の人間なので、他の財閥がどんな活動をしているか、どんな建物を所有しているかなどは最低限教えられてきた。
その中にこの建物があったような…。昔の記憶を必死に引っ張り出す。

A「そうだ、まだエクスターの建物だって確定したわけじゃないけど一応知らせておいた方がいいよね」

ポケットからスマホを取り出すとメッセージアプリを立ち上げ、豪炎寺さんと虎丸さんに位置情報を送信した。
今、雷門対幻影戦の真っ最中だからすぐには確認できないと思うので、この尾行が終わったら説明がてら二人のところへ向かおう。
二人への連絡を済ませたところで、葉名野明が一向に建物から出てこないことに気付く。

危険かもしれないが入って確かめるべきだろうか。
私は周りに人がいないことを確認するとその建物に入り、階段に足をかけた。