第28話 ページ30
太陽「そう！僕がサッカーできるようになるための願掛け」
A「よくわからないけど、私にできることなら」
太陽は少しもったいぶったように間を空けてこう言った。
太陽「A、新雲に転校して俺と一緒にサッカーやろうよ」
A「て、転校…！？」
転校。という突拍子もない言葉に驚く。
というか『願掛け』というよりも『お願い』だろそれは。
私の役割は雷門中の革命を陰で支えること、それを達成するまでは雷門中から動くわけにはいかない。
A「…悪いけど、それはできない」
太陽はその返事を予想していたのか、だよね、と肩を落とし笑う。
だが諦めた訳ではないらしく、言葉を続けた。
太陽「じゃあさ、少し意地悪な条件を出してもいい？」
A「意地悪…？」
太陽「そう。もし雷門がこのホーリーロード本選で負けちゃったら、新雲に転校して僕と一緒にサッカーやろうよ」
唐突に何を言い出すのかと思えば、『雷門が負ける』…？
A「いやちょっと待って、雷門が負けるって…」
太陽「だって雷門が負けたら雷門にいる必要がなくなるんだよね？」
まあその通りだ。私は雷門の革命を支援するために雷門にいるのであって、雷門が負ける、つまり革命が失敗してしまえば私が雷門にいる理由はなくなる。
だからって転校なんて…。
太陽「…雷門が本選を勝ち抜く自信がないなら、断ってもいいんだよ」
A「…！！」
太陽の強い視線が私を射抜く。
大胆な宣戦布告に、私は何も答えることができなかった。
太陽「決定、だね」
太陽は悪戯っぽい口調でそう呟くと、静かに笑った。
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作者名：master_2 | 作成日時：2023年3月19日 11時
