第19話 ページ21
試合会場を出ると早速家の者に連絡をし、お迎えを頼む。
するとすぐ近くで待機していたのか、すぐにリムジンを走らせて来てくれた。
A「近くで待っててくれてたの？」
執事「ええ、お嬢様をお待たせするわけには参りませんから。…それにしても、こんなにはやく帰られてよかったのですか？」
A「いいんだよ、雷門は絶対勝てるって確信できたから」
スタジアムの入り口に立っていたあの男性が来たから、染岡さんが来たからもう大丈夫だろうと判断したのだ。
執事「お嬢様がそうおっしゃるなら、きっと大丈夫なのでしょうね。ところでお嬢様、こちらを見ていただけますか」
そう言って差し出されたのは、1枚のA4サイズの紙だった。
そこには約10校ほどの、中学校名がリストアップされている。
A「これは…？」
執事「そちらに書かれている中学校は、ホーリーロード本選が始まってから 廃校 になった学校でございます」
A「廃校……！？」
紙に書かれた学校名を見てみると、野生中や秋葉名戸など、知っている学校も存在した。
執事「本題はここからでございます。それらの学校が廃校になっている件、裏でなんらかの組織が関わっている事が判明いたしました。その候補に出ている組織の中の一つが、
…………フィフスセクター」
A「……ッ！？」
リムジンの中で少し沈黙が続いた後、私が口を開く。
A「家に帰ったら色々と調べさせて。いろんな学校が何故廃校になっているのか、フィフスセクターが本当に関わっているのか……。もし本当だとしたら放ってはおけないしね」
執事「かしこまりました、お嬢様」
木戸川戦の不安要素がなくなり一息ついたのもつかの間。一難去ってまた一難、とはよく言ったものだ。
私は家に到着次第、すぐに廃校になった中学校について調査を始めた。
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作者名：master_2 | 作成日時：2023年3月19日 11時
