最強シード=転校生!? (ページ17)

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第15話ページ17

A「行ってきます」

執事・メイド「いってらっしゃいませ、お嬢様」

皆に見送られ学校に行く。
学校につき、教室に向かっていると、校舎裏の方からなにやら音が聞こえてきた。

硬くて少し高めの音は、ゴッドエデンで散々聞き飽きた音だった。

A「ボール蹴ってる音…？校舎裏から…？」

今日の朝練は外グラウンドでやっていたが誰か個人練でもしているのだろうか。
気になった私は踵を返し、校舎裏へと向かった。

校舎裏ではユニフォームを着た人が、一人ボールを壁に向かって蹴っていた。

A「あれは…」

それは黒く長い長髪をポニーテールのようにくくっている、さながら侍のような風貌の少年、錦龍馬だった。

A「ただの壁当て練習……ではなさそうだな。どこかで見たことが…」

壁には小さな青い丸が小さく書いてある紙がはってあり、ボールには少量の赤いインクが付けられている。どうやら青い丸を狙っているようだったが、今の所は1度もあたっていないようだ。
あの練習どこかで見たことある気がするんだよな…。
昔の記憶を必死に呼び起こす。

思い浮かんだのは10年前の記憶。
河川敷でイナズマジャパンの皆さんにサッカーを教えてもらった時のこと。

『A、このボールについてるインクをあの壁の丸に当ててみろ』

『えっ、できるかなあ…それっ！！』

幼い私が蹴ったボールは確かにまっすぐ飛んで行ったが、赤いインクは壁の丸にかすりもしなかった。

『全然当たんないよー！！』

『練習し続けてれば当たるようになるさ、見てろよ！！』

その人が蹴ったボールはきれいな弧を描いて壁に当たり、赤いインクは壁の丸に重なっていた。
どうだ！すごいだろ！とはしゃぐその人が、嬉しそうに細めた目元にある泣きボクロがとても印象的だったのを思い出す。

A「…イタリアのプロリーグ、それにイタリア留学。……そういうことね」

私は少し駆け足で屋上へ向かった。