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「冷めるの待ちながら、ちょっと聞いてや。」
よっこいしょ。何て言いながらしげが隣に座った。
触れ合った肩が熱い。
「神ちゃんの好きなところ。
なんにでも一生懸命。
ダンスも歌もうまくてかっこええ。
楽しそうに踊る。
面倒見がええ。
目力がある。
いろんな役を自分のもんにする。」
スラスラとしげの口からでてくる言葉たちに、顔が赤くなるのが分かった。
「礼儀を大切にしとる。
誰かのために頑張れる。
努力を努力と思わせない。
自分の力で自信を作り上げる。」
しげの口から出る言葉は止まることがなくて、放っておけばいつまでも語っていそうだ。
「寝起きの無防備な顔を見せてくれる。
みんなに優しい。
でも、あかんときはちゃんと怒れる。
しっかり芯を持っている。
それでいて相手の意見も尊重する。
苦手とちゃんと向き合う。
俺が持ってへんものたくさん持ってる。」
「しげもっ」
「へ？」
「しげも、俺が持ってへんもん、いっぱい持っとるよ。」
「ひひっ、ありがと。」
眩しすぎるしげの笑顔に、これ以上ないってくらい赤くなってるであろう頬にさらに熱が集まるのを感じる。
「あと。。。」
「ん？」
「ココア、もう飲めるから。。。」
恥ずかしいからマグカップの中の甘い液体に視線を落とす。
「もう、ええよ。。。ありがと。」
「どーいたしましてっ。まだまだいくらでもあるからな！いつでも言うてや。」
しげはかっこいい。
自分が言うたんやから、俺にも言えって強制しても良さそうなものなのにそんな事はせえへん。
俺の不安を見透かして、取っ払ってくれる。
その優しさに甘えてばかりやったらあかんから、俺だってしげに返したいねん。
「俺も、しげの好きなとこいっぱい持ってるから。」
「おん、ありがとう。」
「誰よりも知ってるから。」
「ひひっ。そうやな。」
「いつもありがとう。大好きやで。」
普段は恥ずかしくてできないけれど、今日くらいは。
えくぼがキレイに出てるほっぺにキスをした。
さっきまで優しい笑顔で俺を見つめていたしげの瞳が真ん丸になったのがおかしくて、思わず笑ってしまったら、頭をワシャワシャと乱された。
「んもー、なにすんねん！」
「うはは。それでこそ神ちゃんや。」
キレイに並んだ歯を見せて笑う姿に、しげを好きで本当によかったと思えた。
end
続く (更新停止中)
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作者名：さゆ | 作成日時：2018年8月7日 1時
